「あ〜あ…あっけなく捕まっちゃったな…」
今は、最高中央警察署の中。
俺たちは2人同じ牢屋に入れられた。
「自分らの力を深読みしすぎたんだ。だからあんな簡単なトラップに引っかかったんだ」
この人は頭がいい…だけどその使い方を間違った方向に使ったんだ…残念でならない…
「刑は何年でしたか…?俺は5年で…」
詐欺で奪ったお金3億7千万。それで俺は5年の刑を食らった。
まぁ、俺が詐欺をしたわけでもないが…
でもそれくらいの刑は当然だろう…
罪は償わないといけない…
俊介さんは人を殺している。
だから、俺よりも長いと思っていた。
「・・・65年だ」
65年…その多さが俺にはよくわかった。
「何で!?そんなに重い刑が…!」
俊介さんは首を振った
「しょうがないんだ…2人殺したのにくわえて、逃げるときに警官を2人殺してるんだ…」
殺した?逃げるためには必要だったという。
「でも…でも…」
俺は何と何が現実で、何と何が嘘なのかがわからなくなってしまった。
65年という長い時間ここにいないといけない…
そう思うと、俺は死んだほうがマシだと思った。
「65年なんてあっという間だよ…楽勝!」
笑顔で言ったその言葉の裏には罪を犯した俺自信が悪く、この65年間で罪を償おうという本心が見えた気がした。
親を殺し、捕まり。
そして脱獄をして、3億を詐欺で取り、警官を2人殺し、また捕まる…
その罪を65年で償おうとしてるんだ…
俺の口出しすることじゃない…
そんな戦いが俊介さんの中でおきてるんだ…
「そうですね…絶対に自殺なんてしないでくださいね…俺、待ってますから!」
そう言って笑った直後に夕食のチャイムがなった。
この時だけ牢屋から出ることができ、食堂でご飯をたべることになっている。
そして自由時間が設けられ、また牢屋へと戻される。
午後6時から、約4時間
朝も6時から4時間。ということらしく、1日2食だ。
食堂では他愛もない会話を皆がしていた。
約2万人の囚人がここにはいた。
そして、1年…2年…3年…4年と月日が経っていった。
俺は経っていく時間に比例して、人との交流を増やして、いろいろ中のいい人が増えていった。
めるさんや、悟志さん。新垣さん、湊さんといった、いろいろな人と仲良くした。
9月19日…
俺が外に出される4日前、牢屋に帰るときに、俺は俊介さんと警官が話しているところに遭遇した。
俺は壁に隠れて、その話をきいていた。
「この役割をしてくれたら、9月23日に出してやるぞ?」
警官がそういうことを言った。
途中から聞いていた俺にはよくわからなかったが、9月23日になって俊介さんは話してくれた・・・
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