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作品名:人のフリして人の不理 作者:シン

第26回   26
「今日は何円稼げた?」

「ざっと100万かな…楽勝だったぜ」

俺は無職だった。

働こうと思っても、何かに生かされているのだから…そんな気もしなかった。

1ヶ月100万ペースでお金を稼いでいるらしく、俺たちは遊んだまま暮らすことができる。

俺たちはお金があるだけで、遊んで幸せに暮らしていた

「おい、旭姫。お金いつもの場所に入れとくからな」

名前を呼ばれたのは俺、内籐旭姫だ。

俊介さんの稼いできたお金で暮らさせてもらっている。

そんな日々を繰り返していた。

でも…元々俺はお金持ちの家に生まれた。

俺の家は代々、政治に関わる大きな仕事をしている。

国家公務員っていうのか?そんな感じだ。

それだから俺は勉強もせずに、遊んでいた。

もう…それはどうしようもないクズな生き方だった

高校2年生の時に退学。

理由は暴力事件を何度も繰り返したから。

肋骨を4本、足、腕の骨を3〜4本。

それを6人くらい…

親からも相当ぶち切れられた。

「うちの家に傷をつけやがって…お前なんかいらん!」

なんて言われちゃって、家族の縁をそこで切られた。

まぁ、家をでるときにありったけの金を奪ってきたけど、それも1ヶ月もすればなくなった…

「はぁ・・・金ないなぁ・・・」

高卒もしていない人を雇う会社なんてない…

俺は生活のあてがなくなってしまった…

そして、死ぬことを覚悟で…山に入った。

「ん?何だ?あの光…」

山に入って数分、数十分歩いたところで見つけたその光…

俺には希望の光りにしか見えなかった…

ありったけの力を振り絞り、その小屋まで登っていく…

暗い夜道の中、見えるものは小屋の光だけ…

それを目標に走っていった…

「誰かいませんか・・・?」

俺は中に入って誰かのそん時あの確認をした。

しかし、誰もいない・・・

でも、いい家だ…

食料もたくさんあるし…結構暮らして行けるんじゃないのか?

そんなことを思っていると、後ろに人がいるということに俺は気づかなかった…

「誰だお前…何でここにいる…」

身動きもできない…俺はどうすることもできなかった。

なんだよこれ…自殺するどころか俺は殺されるのか…

「待ってくれ…俺は怪しいものではない…!」

見苦しいか…こんなにもなって変な返事の仕方しか知らないなんて…

「怪しくはないようだが…何しにここに来た」

正直に話せば死なないですむかもしれない、とおもい、俺は全てを話した。

「待ってくれ!死のうとしてこの山に入ってきたら、ここの小屋の光を見つけてきただけなんだ…」

俺は叫んでしまった…

頭には拳銃らしきものがつきつけられていた…

でもそれは拳銃じゃなかった。

「そうか…お前も俺と同じなのかな…」

彼の手からは俺の頭につきつけていたであろう物が滑り落ちた、鉄パイプのようだ。

「今日から俺の仲間だ」

その人はよくわからないが、俺を受け入れてくれた。

まぁ、俺にはとても嬉しいことなのだが、あまり理解ができなかった。

「よろしくおねがいします…」

「俺の名前は荒木俊介!お前は?」

「内籐旭姫…です」

「そっか!!よろしくな!!」

優しい人なのだろうか?

俺はその人と同じ小屋で暮らすことになった。


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