「柚莉愛…ごめんな…」
「お兄ちゃん…なんで?」
「こうするしかなかったんだ…許してくれ…」
「・・・そんな・・・・・」
「あぁ、さようなら…またいつか」
* * *
みなみ「じゃあ、会議をしましょう」
俺は人狼になってしまった。
人を殺してしまった。
人を殺すことの罪悪感により、鋼鉄のオリに閉じ込められている気がした。
でも、あいちゃんと勝つためには仕方なかったんだ…許してくれ…
今日死んだのは、俺が殺した柚莉愛と、酒田さんだった。
人狼がまだいたというわけだ。
ここで誰を追い詰めればいいんだ?
俺は皆を見渡す…
・・・旭姫さんか…俺はずっと怪しいと思っていたんだ。
この人を殺せば、全てが終わるかもしれない…
殺したい、この人を…
何の確証もないが、俺がこの人を殺せば全てが終わるかもしれない、そんな錯覚に俺は襲われていた。
『殺す、殺す殺すころすコロスコロスコロスコロス…』
俺の標的は旭姫さんに変わっていった。
あやね「もうわからなくなってきたね…しかも人狼が2人いて、同時に殺し始めたってことだよね?」
とっさのあやねさんの言葉に俺はマヌケな声を出してしまった。
雅紀「でも、まだ2人いるんだろ…?じゃあ俺達はこのまま殺されて終わってしまうのかな…」
そんなことなら…と俺は1つの考えが浮かんだ。
そう、殺される前に殺してしまうということ
俺は人狼を殺したい
俺の仲間を殺した人狼が憎い…
できたら俺の手で…この俺が殺したい。
だからこんな会議で誰かが死ぬのを防がなければならない。
つまり、同票にすること
同票にすれば会議で死ぬことはない
だから人狼も死なない…
でも、どうしたら…
白玖「俺・・・」
何か言いたそうに言っただけ…
ひらめいたわけでもない…とりあえず、この会議を長引かせようとした。
白玖「俺、皆のことをもっと知りたい…こんなに短くて、少ない時間だったけど…会えてよかったと思うから」
相田さんがもっともらしい顔をして言った。
みなみ「そうよね…私たちはあんまりお互いの事知らなかったわね…」
沈黙が長引く…
俺の昔の話なんか全く話していないし、みんなの話も聞いていない。
でも、何かしら俺たちはどこか似ている気がする…何かが…
根拠はない…でも…
旭姫「白玖は気づいたかな…」
そう言ってきたのは旭姫さんだった。
あい「何を気づいたの?白玖くん・・・」
あいちゃんの問に俺は答えた…
白玖「俺たちはどこか似ている…そんな気がするんだ…それに、どこかで会っている気がする…根拠はないんだが…」
拍手の音。それに驚き、俺はその音の方向を凝視する。
旭姫「正解。そうです。俺たちは似たもの同士なんです、そして俺たちは一度会っているんです」
それに続いて、旭姫さんは続ける。
旭姫「話しましょう。この村ができた理由を・・・」
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