いきなりの出来事でびっくりした…
俺はこの子に凛恋と同じような感情を抱いていいのかもわからなかった…
白玖「あいちゃんの気持ちは嬉しいよ…でも今気持ちの整理がついていかないんだ…」
あいちゃんの事が俺は好きなのかもしれない…
でも、明日俺は死ぬかもしれないんだ…
そんな状況なのに、この返事をしてもいいのだろうか?
そういうふうな感情に囚われて…どういう風に言えばいいかわからない…
白玖「俺はこの村を一緒に抜けて…抜けれたら、俺の気持ちを伝えようと思う…」
あい「うん…それでもいい!生きようね…絶対…」
白玖「あぁ…分かった…」
俺は俺のために生きる。
こんな境地の場所で、こんないきなりな状況になったら、誰でも惚れてしまうんじゃないのか?
惜しくも、俺はそうだった。
最初から気にはなっていたんだ…
いつの間にか俺が惹かれていて、それにこの告白…
ほら、惚れざるを得ない。
まぁそんなことを思ってもしょうがないか…
この事態を終わらせる…
俺はまだ終わっていないと思っていた。
人狼はまだいる。
そういう勘がはたらいていた。
白玖「俺はあいちゃんとこの村を出たい。人狼を全員倒して…」
あい「まだ人狼は生きてるってこと?楽空さんは人狼じゃなかったの?」
俺は俯いた…
殺した本人から出てくる言葉じゃなかっただろう。
白玖「いいや…その確証はない…」
霊媒師の言葉を信じるか、信じないかによって変わってくるだろう…
でも、そんなこと信じてもしょうがない…
自分たちの力で見つけていかないといけないだろうから…
あい「私達が人狼役を演じる…」
あいちゃんのその言葉には重い意味が込められていた気がする…
白玖「どういうこと?」
あいちゃんが説明に入る…
あい「朋香ちゃんと同じ戦法で行くの」
その事を聞いて、俺は不覚にも納得をしてしまった。
白玖「その方法を使えば行けると思うんだけど…どうにかなるのかな…」
あいちゃんはさっきとは売って違い、笑顔で話してみせた。
あい「白玖くんなら大丈夫だよ!私と…自分を信じてみて?」
人狼を演じる…
そんなことが俺にはできるのか?
颯人みたいになって俺は死ぬことはあるのだろうか?
確かにリスクを伴う作戦だ…
でも占い師がいなくなった以上、皆何を信じていいかわからなくなっているはずだ…
だから、逆に今だから効果的なのかもしれない…が…
俺に人が殺せるのか・・・?
俺なんかが人の人生を奪ってしまっていいのか?
そんなことを思っていると、俺は殺すことがどうにもできない気がしてならなかった…
あい「別に…絶対しないといけないってわけじゃないよ?でも…皆、混乱してると思うんだよ…誰を信じていいのかもわからなくなってるだろうし…」
不思議と笑いがこみ上げてきた…
俺とあいちゃんは同じ事を思っている…
自分自身を信じすぎた俺へのあてつけかな?
今度はあいちゃんを信じてみろという…
白玖「そうだね…うん!あいちゃんの言う作戦、してみよう!」
あい「う…うん!分かった!」
その後の疑問。…そう
誰を殺すか…
一番は雅紀さんだろう…
でも、俺が殺せる気がしない…
あの人は何処か自信に満ちているところを感じる…
彼のいうことに説得力がある。
だから、彼を会議内で味方にできれば…
あい「柚莉愛ちゃん…」
まさかの名前に俺は動揺した。
柚莉愛?俺が柚莉愛を殺すのか?
どうして?なんで?俺は疑問を投げつけた。
あい「兄妹なんだよね…?だから、一番近づきやすいと思うし…殺しても疑われにくいかなって思って…あぁ!勿論、白玖くんができたらの話なんだけど…」
俺は顔を下げた。
実の妹を俺に殺すことはできるのか?
何もかもが壊れてしまいそうで、俺は気が狂いそうだった…
あい「そうだよね…実の妹を殺すことなんてできないよね…ごめんね…」
白玖「ううん…発想としては満点かもしれない…でも…実現性としては、0点だよ…」
あいちゃんの考えは一理ある…
でも、俺にできるかがわからなかった…
人を殺す=人間で無くなる
俺の中でこの方式が浮かび上がった。
いや、この村の中の問題だ…
人狼の方が今から殺す俺なんかよりも数倍殺している…
柚莉愛には申し訳無いが、俺とあいちゃんのために死んでもらう…
白玖「いや、その作戦でいいよ。大丈夫、柚莉愛を殺す」
俺はもう知っていたんだ。
人間じゃないって。
もう俺は人間じゃないって…
生まれ変わろう。この村から出て、あいちゃんと暮らしたい…そのためにはなんでもする…
そういう風に、俺の気持ちは変わっていった…
何かに誘導されていることも知らずに…
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