何が何でも俺の力で勝ちたかった。
嘘に嘘を重ねて、楽空さんを殺した。
俺が直接殺したわけじゃないが、皆の投票によって死んだ。
俺が誘導した。
嘘を巧みに使って…
人狼と疑わせるだけで死んでしまう。
簡単だ。みんな優秀なんだから
俺と同じようなことを思っていた人も多かったらしい。
あい「今日のは強引過ぎたんじゃないかな?」
楽空さんを人狼に仕立てあげた。
半ば強引に…
俺はただ単にもっともらしい理由をつけて、言っただけ…
その程度でいいのだ…
皆は理由に惑われやすい…
それがわかっただけでも俺は十分やりやすくなった。
白玖「そうでもないと思う、大丈夫だ」
俺達は今家にいた。
あいちゃんと2人
あやねさんは俺の意見に反対をした、だから排除した。
あの人はいらない。いないでも勝つことができる。
俺はそう自分を信じていた。
あい「まぁそうかな…うーん、白玖くんが良いんだったら…」
まだ何かいいたげな表情をあいちゃんは見せた。
俺はその表情が気に食わなかった。
白玖「あ?何その顔?何か言いたいの?」
あい「いや…そういうわけじゃないけど…」
そういうわけ?どういうこと?
意味がわからない。調子にのるなよ…
白玖「そういう訳ってなんだよ?殺すぞ?」
俺の発した言葉にあいちゃんは少しの驚きを見せる。
あい「最近、何か可笑しいよ?どうしたの?」
可笑しい? なんだよこいつ…いいかげんにしろ…
白玖「何も変わってねぇよ。お前が諦めるなとか言うから諦めなかっただけ、ふざけるのも大概にしろよ。俺は俺のために生きてるんだ。俺がそう望んでるんだ。もう他人なんか関係ない…」
あい「関係あるよ!!!」
いきなり怒鳴られた俺は少し肩を揺らした。
あいちゃんの目には涙があった
あい「死んで欲しくないんだよ…それに私の投票なんかで白玖くんが死ぬなんて、私が耐えれない…」
息継ぎ…あいちゃんが続ける
あい「関係ありありだよ!私、白玖くんに付いて行きたいって思ったよ、ついてくるならご勝手にって言ったから、ついてきたけど…その言い方はあんまりだよ…」
俺は、もうあいちゃんを見れなかった。
そっぽを向いた俺に抱きついてきた、あいちゃんの涙ぐんだ声を今でも俺は忘れていない…
あい「行かないでよ…いっちゃ嫌だよ…もう私…」
『大好きなんだから』
俺の頭に流れてくるその言葉を何度でもリピートしていた。
俺の鼓動が大きくなっていく…
いきなりの告白に俺は対応しきれなかった。
泣きじゃくる彼女を見て、俺は自分が間違っているということをわからされた。
あいちゃんの方を向き、彼女を抱きしめる
あい「好きだから、離れたくなくって…一緒に生きたくて、………」
俺はあいちゃんの口を塞ぎ、その後の言葉は聞かなかった。
白玖「もう言わないでも分かるよ…ごめんね。俺知らないうちに変わってたのかもしれない…」
あいちゃんは俺の胸の中で涙を拭っていた。
あい「うん…わかってくれてありがとう」
もう一度強く、強く抱き
俺達はもう一度、唇を重ねた。
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