あやね「これからどうするの?」
あやねさんが心配そうに聞いてきた。
颯人が口を滑らせてくれたお陰で今回は勝てた。
でももうこんなことはないだろう。
今回のことがあったことによって、みんなも余計に神経を研ぎ澄まして追放会議に臨むだろう…
ボロを出すと死ぬ…嘘をつく上手さがものを言う勝負になってくるだろう…
「とりあえず、俺達側に占い師がいませんから…」
俺達側にはいないが、後占い師は2人いる。
凛恋と楽空さんだ。
そのうち、信頼できる可能性があるのは凛恋だ。
楽空さんは怪しい…
颯人を占って、死んでいないからだ。
颯人を占うと死んでしまう。それは朋香ちゃんが証明してくれた。
最低でも、まだ人狼は1人いる。
それを見つけ出せる占い師がいない…
この事がどんなに辛いことか…
占い師がいないと、勝てるものも勝てない…
白玖「いないなら、仲間に入れるしかないですね…」
今、ここにいるのはしがない市民と、霊媒師。
凛恋は多分本物の占い師だ。
凛恋の実家がそういうことをしていた。それに占いなんかもしてもらっていたからだ。
白玖「とりあえず、凛恋の家にいきませんか?」
俺のこんな素朴な提案に2人は乗ってくれた。
この2人は絶対に市民だ…!そう思いながら、俺達は 凛恋の元へ向かった。
* * *
凛恋「私が仲間に?」
凛恋の家につき、俺は説明し尽くして説得しようとしていた。
白玖「そんなに嫌か?」
凛恋は俺がそう言うと、顔を下げた。
凛恋「あんた、本気で言ってんの?私をからかってるつもり?」
一拍開けて凛恋が続ける。
凛恋「白玖って占い師なんだよね?でも占い師が必要とか意味分かんない…!」
俺が?占い師…?意味がわからない…
白玖「誰にそんなこと聞いたんだ?」
凛恋はその言葉を聞くと、顔を勢いよく上げ、声を張った。
凛恋「あんた!私をおちょくってる気!?自分自身で言ったことも覚えてないの!?」
凛恋の言ったことを耳にしている余裕なんかなかった。
俺は俺が占い師でないことの確認で精一杯だった。
絶対に俺は占い師じゃない…
あい「ねぇ、あのめるさんとの時に…」
あいちゃんが何かに気づいたらしく、俺に耳打ちをしてくれた。
俺はそう言われて、納得の納得。
そりゃそうだ…矛盾が生まれるはずだよな…
などと、のんきなことを思いつつも、この矛盾をどうやって変えてしまえばいいかも考えていた。
いや、もう答えは見えている。
俺は今までずっと占い師だと信じていたんだ。
このあやねさんあいちゃん、朋香ちゃん以外にこんなに信じられたのは初めてだ。
嘘ばかりのこの村で、嘘しかないこの村で信じられるのは俺をとてもいい気分にしてくれる。
俺はそんなことを思い、今までの事を全部凛恋に話した。
凛恋は話したことを全て真実だと…嘘だと疑わずに聞いてくれた。
ありがとう… 帰ったらこの2人にも伝えよう…
生きたい…
この気持ちが更に膨れ上がった。
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