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作品名:人のフリして人の不理 作者:シン

第17回   逆襲
相田「それじゃあ、会議をさせていただきますね」

もう何回目の会議だろうか・・・?

日に日に数人が死んでいく

昨日はめるさんが死んだ。

多分、人狼と内通しており、俺を殺すことよりも自分の身を守ろう

としたから、人狼に必要ないと思われ殺された…と推測できる。

だとしたら、人狼は裏切り者の存在を知っているということなのだ

ろうか・・・?

まぁ、そんなことはどうでもいい…

今大事なのは、敵である裏切り者、人狼を見つけ出すことだ。

それに朋香ちゃんの死を無駄にはしない。

まず1つは、今日2人死んでいる

人狼は1人しか殺してないのに、2人死んだということになる。

人狼に殺されたのはめるさん。

でも、もう一人殺していない人が死んでいる。

そう、朋香ちゃんの死を人狼のせいにするのだ。

そういうことで、何かしらの反応を見せるはずだ。

人狼と市民では考え方が違う。

まず、市民だが人狼以外に殺される事がないと思っているであろう

から、2人が死んだのは人狼が殺したということになっているはず



1人しか殺していなかったのに、人数を増やした

などと思うかもしれない。

対して、人狼は1人しか殺してない

朋香ちゃんを殺したのは違う人、もしくは自殺

などと思っているに違いない。

人狼側にとっては、朋香ちゃんの死は想定外ということだ。

この小さく、大きい考え違いは武器になる。

相田「じゃあ話しあいましょうか」

相田さんがそういった時に、俺はすぐに手を挙げて発言をしようと

した。

どうぞ、という相田さんの声がかかる。

俺は目を凝らし、全員の反応を見る。

白玖「人狼が2人殺し始めました」

空気が冷たく、さむい

雅紀「何でそう言えるんだ?」

反応したのは雅紀さんだけ…他の人は…

白玖「朋香ちゃんが人狼に殺されました。それでここに来るとめる

さんもいない。これは人狼が2人殺し始めたということだと思いま

す」

少しの間があり、雅紀さんが答える。

雅紀「何でそういえるんだ?じゃあ人狼は何で殺す人数を増やした

?どうせ全員殺すんだったら、同時に殺せばいいじゃないか」

白玖「確かにそうですが、全員を殺そうとしたらそれなりのリスク

もあるので…」

リスクってなんだ?口ごもった発言をして、俺は何をしてるんだ…

これじゃあ俺が一番怪しいみたいじゃないか…

雅紀「じゃあめるさんは自殺だったのかもな」

白玖「え…?どうして!?」

突然の言葉につい動揺してしまった。

俺は自分の中で落ち着き、雅紀さんの返答を聞いた。

雅紀「2人殺すってでもリスクってもんはあるだろ?それを負って

まで殺す必要がないんだったら、殺さないんだろ。じゃあ自殺だな



こういう時はどうするのが正解か…?

ここで反論をすれば、更に怪しまれる…

俺は正解を導き出すことができなかった…

白玖「そうですね…その可能性もあります。じゃあめるさんが自殺

か、人狼に殺されたなど、死の直前に一緒にいた人はいますか?」

肯定するしかないと思った…

ここでそうしないと俺が死んでしまうと思ったからだ。

でも、この行為が俺の首を締めることになる・・・

1人の手が挙がる

それを自分の目で確認する。

その人の顔を見る…

すると、さっきまで全く出ていなかった汗が俺の頬をつたわる…

追い込もうとしていた俺が、逆に追い込まれようとしていた…

颯人「私、見ていました」

人狼の逆襲だ・・・


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