昨日の夢は何だったんだろうか・・・
俺は直感的にあの夢は俺に何かのヒントを与えてくれた気がする…
ただ、ただ・・・そんな気がする・・・
それでも、あの夢の内容を全ては覚えていない。
俺の脳には必ず格納されている。
それを引き出せないだけなんだ。
何か…記憶を引き出す引き金が…
その何かが必要なんだ。
・・・・だめだ。
考えるほど、思い出そうとするほど、わからなくなってくる。
記憶というのは近くて遠いもの。
近すぎて遠すぎるもの・・・
白玖「あーもうやめた」
あやね「え?なにが・・・?」
俺の言葉に反応したのはあやねさんだった。
そうだった…今は裏会議の時間だった…
白玖「すいません、考え事をしていて…」
あい「そっか…大丈夫?」
あいちゃんにそう言われ、俺は縦に首をふる。
無造作に行ったこの動作は、俺の脳の電気信号を突発化させ、記憶の引き金を・・・引いた。
『身近な人が敵だったりするかもよ?』
俺の脳に1つの稲妻が走る・・・
なんでだ・・・?
いきなりこの言葉が俺の脳に浮かび上がった・・・
あの夢の女の子が話していた言葉なのか?
この言葉信じて思考を巡らすのがいいのか・・・?
俺はその言葉を信じ、身近な人を探した。
まずは、ここにいる3人。そして、柚莉愛、颯人、凛恋。
この6人で最も身近・・・
柚莉愛…
いや、柚莉愛は違う・・・
俺の妹であるが、人狼ゲームの経験者だ。
でも、市民側だったため、人狼という可能性は低いだろう…
白玖「颯人・・・」
あい「颯人さん?それなら楽空さんが占ったんじゃない?」
白玖「だから占うんだよ。めるさんみたいにウソを見つけ出せるかもしれない」
俺がそう言うと、ここにいる3人は納得してくれた。
あやね「確かにそうね…それが本当だったら信用できる人も増える…」
朋香「じ…じゃあ、早速占います!」
あやねさんが言った言葉に重ねるように朋香ちゃんは言った。
白玖「あぁ、颯人だぞ。よろしく」
きっともう少しで占えない時間になってしまうのだろう。
朋香ちゃんは目を瞑り、何かを持ち祈っている。
占いを間近で見るのは初めてだ・・・
数分・・・いや、数十分たっただろうか・・・?
初めてだから分からない・・・が、こんなに長くかかるものなのだろうか・・・
そんな心配もつかの間…朋香ちゃんが倒れた。
あい「大丈夫!?」
2人と俺がすぐさま駆け寄る…
朋香ちゃんの息が荒く、早い・・・
どうしたのか俺には理解できなかったが、朋香ちゃんは最後の力を使い、言葉を発した。
朋香「颯人…颯人さん怖い…占ったら死ぬ…死ぬ…いや…こないで…」
1つの悲鳴・・・
あい「朋香ちゃん!?朋香ちゃん!!!」
あいちゃんの声は震え、涙をながす。
あい「朋香ちゃん…死んだの?なんで!?なんでなの?!」
動揺するあいちゃんを見て、俺は腰が抜けるようにその場に座り込んだ。
白玖「占う人を間違えた…占ったら死ぬんだ…なんで颯人が…」
あやねさんもペタンと座り込む。
あい「どうなるのこれから…私達、負けちゃうの?」
朋香ちゃんが死んだことは何かの理由がある。
それに気づくことができるかどうかが大事なんだ。
白玖「大丈夫。俺が無駄死になんかさせないよ」
泣きじゃくるあいちゃんの目をみてそうつぶやいた。
|
|