相田「それでは会議は終わります」
会議は終わった…が、俺は生きていた。
そう、投票はめるさんと同票・・・
俺達は刑を逃れた。
命を取り戻し、生き残ったのだ・・・
あやね「危なかったね…同票なんてギリギリじゃないの…」
あやねさんが俺の元に来てそう言ったが、俺の耳にはそれを聞き取れる余裕すらなかった。
後一票・・・後一票多かったら俺は死んでいたんだ。
死んでいたんだ・・・
俺は初めて身におとずれた死の恐怖を噛み締めていた…
俺の体は力が抜け、その場に崩れ落ちた。
あやね「白玖くん!?大丈夫?ねぇ!ちょっと・・・」
意識が遠のいていく…次第にあやねさんの声は聞こえなくなった。
* * *
「俺は助けたかったんだ」
『でも、死んでしまったらどうしようもない』
「死なない。死にたくないけど、死なせたくないんだ」
『そんなに都合よくいくとおもってんのか?』
「俺がどうにかしてやる。運命は自分で変えるんだ」
『死と隣り合わせのここで、死の本当の意味を知ったんだな』
「あぁ、知ったさ。俺はもう死…死ぬことの恐怖…怖さを…だから人よりも強く成れた気がするんだ」
『強いだけじゃダメじゃないのか?敵は複数いるかもよ?』
「だからこその仲間なんだ。支え合えばどうにか…」
『身近な人とかが敵だったりしたら?』
「もしそんなことがあるとしても、俺は負けない」
『そっか…それなら頑張ってね。応援してる…あ、もう時間だ。俺はこの辺でいくよ。じゃあな、白玖』
・・・・・またいつか
* * *
あやね「おはよう。や〜っと起きたね!」
俺が起きるとあやねさんが目の前にいた。
白玖「おはよう・・・ございます・・・」
俺は頬を赤らめる。
今は夜の2時・・・・・
12時を過ぎている・・・・・
白玖「あいちゃんと朋香ちゃんは!?」
俺はその2人の身が妙に心配になり、少し叫んでしまった。
あやね「大丈夫…2人共起きてるよ」
そうか、と俺はベッドに再び倒れこむ。
あやね「今日大変だったもんね…休んでていいよ?」
そう言いながらあやねさんは俺の頭を子供をあやすように撫でる。
白玖「いえ…俺も行きます…」
そっか…、と言ってあやねさんは頭から手を離す。
白玖「朋香ちゃんの占う人を決めないといけないでしょう。俺もその話には参加します」
あやね「うん、わかった。急がなくていいからね」
白玖「分かりました」
あやねさんがそう言うと、俺の部屋を出て行った。
しかし・・・あの夢は何だったのだろう・・・
人との会話・・・多分俺と俺の知っている女の人・・・
白玖「いつかまた同じような夢を見るかな・・・?」
俺はそう言いながら暗い部屋の中を手探りで進み、皆のいるリビングへ向かった。
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