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作品名:人のフリして人の不理 作者:シン

第14回   14
相田「それでは会議は終わります」

会議は終わった…が、俺は生きていた。

そう、投票はめるさんと同票・・・

俺達は刑を逃れた。

命を取り戻し、生き残ったのだ・・・

あやね「危なかったね…同票なんてギリギリじゃないの…」

あやねさんが俺の元に来てそう言ったが、俺の耳にはそれを聞き取れる余裕すらなかった。

後一票・・・後一票多かったら俺は死んでいたんだ。

死んでいたんだ・・・

俺は初めて身におとずれた死の恐怖を噛み締めていた…

俺の体は力が抜け、その場に崩れ落ちた。

あやね「白玖くん!?大丈夫?ねぇ!ちょっと・・・」

意識が遠のいていく…次第にあやねさんの声は聞こえなくなった。

* * *

「俺は助けたかったんだ」

『でも、死んでしまったらどうしようもない』

「死なない。死にたくないけど、死なせたくないんだ」

『そんなに都合よくいくとおもってんのか?』

「俺がどうにかしてやる。運命は自分で変えるんだ」

『死と隣り合わせのここで、死の本当の意味を知ったんだな』

「あぁ、知ったさ。俺はもう死…死ぬことの恐怖…怖さを…だから人よりも強く成れた気がするんだ」

『強いだけじゃダメじゃないのか?敵は複数いるかもよ?』

「だからこその仲間なんだ。支え合えばどうにか…」

『身近な人とかが敵だったりしたら?』

「もしそんなことがあるとしても、俺は負けない」

『そっか…それなら頑張ってね。応援してる…あ、もう時間だ。俺はこの辺でいくよ。じゃあな、白玖』

・・・・・またいつか

* * *

あやね「おはよう。や〜っと起きたね!」

俺が起きるとあやねさんが目の前にいた。

白玖「おはよう・・・ございます・・・」

俺は頬を赤らめる。

今は夜の2時・・・・・

12時を過ぎている・・・・・

白玖「あいちゃんと朋香ちゃんは!?」

俺はその2人の身が妙に心配になり、少し叫んでしまった。

あやね「大丈夫…2人共起きてるよ」

そうか、と俺はベッドに再び倒れこむ。

あやね「今日大変だったもんね…休んでていいよ?」

そう言いながらあやねさんは俺の頭を子供をあやすように撫でる。

白玖「いえ…俺も行きます…」

そっか…、と言ってあやねさんは頭から手を離す。

白玖「朋香ちゃんの占う人を決めないといけないでしょう。俺もその話には参加します」

あやね「うん、わかった。急がなくていいからね」

白玖「分かりました」

あやねさんがそう言うと、俺の部屋を出て行った。

しかし・・・あの夢は何だったのだろう・・・

人との会話・・・多分俺と俺の知っている女の人・・・

白玖「いつかまた同じような夢を見るかな・・・?」

俺はそう言いながら暗い部屋の中を手探りで進み、皆のいるリビングへ向かった。


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