裏切り者を発見することができたが、俺は境地に立たされていた。
俺が人狼と言われたんだ。
形勢は逆転したと考えていい。
ここで反発をすると、逆に怪しまれる。
そう思い、俺は「そうですか」とだけ言った。
でも、俺は内心焦っていた。
いや、焦らずにいられる人なんているのだろうか?
投票で次、俺が死ぬかもしれない。
死と隣り合わせ…こんなに怖いことがあるのか…?
いや、違う。こういう時こそ…場を覆すんだ!!!
白玖「ハッ-ハッハッ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \」
俺は盛大に笑ってやった。その後、皆の顔をうかがった。
相田「ど…どうかしましたか?」
相田さんが心配そうに話しかけてきた。
ここから先が勝負だ…と俺が唇を噛みしめる。
白玖「めるさん。墓穴を掘りましたね」
俺は息を吸い込み、続ける。
白玖「俺も実は、占い師なんです」
顔色が変わる。そこには疑いの目もある
雅紀「なんで?今更とか遅くないか?」
白玖「いいえ、違います。この時のために言わなかったのです」
間髪入れずに俺はそう答えた。
白玖「私は占い師です。ということは人間。人狼と言っているめるさんの言葉がおかしいことになりますよね」
める「そうなるね…じゃあ私が人狼だと言いたいの?」
白玖「違います。俺はめるさんを占って人間と出ています。・・・・・・・・・・が」
…が?と皆の顔色がまた変わる。
白玖「俺が人間であることから、めるさんの信憑性は格段に下がるとともに、人狼側についた市民。裏切り者だと推理します」
める「裏切り者・・・?」
白玖「つかないで良い嘘をつき、人間である俺を人狼に仕立てて殺そうとした」
この言葉で空気がガラリと変わり、形勢は・・・逆転した。
1つの大事なキーを取り逃してしまったが、まぁいい… 朋香ちゃんが占い師だから、俺が人狼に殺されたとしても占いは続けられる。 大丈夫…めるさんの信憑性を下げ、俺の人間という可能性をあげた。
ただ・・・それだけなんだ・・・
める「でも、1つの可能性を忘れているよ?」
可能性…なんなんだ…?
俺は何一つ浮かばなかったが、めるさんはそれを覆した。
める「私が嘘をついている可能性よ」
ウソ…?俺を人狼ということで何か市民側にメリットがあるのか?
める「ウソをついて、人狼の反応をみることにしたの。いろんな人の反応を見ていたけど、なんにも収穫がなかったわ。ごめんね、白玖くん。嘘ついて」
ウソをついていた・・・?
そんなはず・・・ないんだ・・・
相田「そろそろ、投票しますか?」
もう投票なのか?!
まだめるさんが裏切り者なのかも見方なのかもわかっていないのに…
相田「じゃあ、この紙に名前を書いてください」
こうなったら俺にはもうどうすることもできなかった。
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