あやね「めるさんを占うといいんじゃない?」
あやねさんが言う
白玖「何でですか?理由を教えて下さい」
俺達の和にあやねさんが入った。
この人は紛れも無く霊媒師だ
あの答えはきっとハッタリなんかじゃないんだ…俺はそう信じていた。
あやね「誰が本物かがわかんないんだから、1人ずつ絞り込んでいく必要があるでしょ?」
確かにそうだ…
この占い師合戦の中に必ず人狼がいると俺は思う。
だから消去法が一番良いのかもしれない。
白玖「そうですね…1人ずつでも信じれる人を増やしていくことが大事かもしれませんね」
あやね「じゃあ、朋香ちゃん。めるさんを占ってね」
俺の後に続けてすぐにあやねさんが言葉を重ねる。
朋香ちゃんはいつもの様に首を縦に振った。何も言わずに…
でも俺達はまだ気づいていなかったんだ。
この占い師合戦の本質…本当の意味に。
* * *
昨日の犠牲者は俊介さんだった。
未だに人狼の殺人目的があまり理解できない。
今日の結果を見ると、ただ殺した、ということなのだろうか…それとも…
みなみ「俊介さんが死んだので、私が進行をさせて頂きます」
そういったのは相田さんだ。
でも進行と言うのは、唯一投票数と、投票内容を知ることができる。
この進行というのに人狼がなってはならない…
人狼が進行になれば、必ず投票関係なしに殺したい人を一番票が多かったなどと言えば、夜と朝で殺したい人を殺せるから、圧倒的に有利になる。
これじゃあ市民に勝ち目はない。
白玖「相田さん。進行は重要です。投票の時は不正や不公平のないようお願いします」
俺がそう言うと、相田さんは優しい目で、表情で返事をした。
その直後、朋香ちゃんが俺の元に来て
朋香「めるさんを占ったけど、人間だったよ」
と、少し悲しそうに話した。
俺は「なんで悲しそうな顔をするの?重要な情報ありがと」と慰め、頭をなでた。
すると朋香ちゃんは少しだけ笑い、俺の横に座った。
俺も腰をおろし、今日の会議の重要な事を整理した。
占い師は 四月一日凛恋、亜月める、中村楽空、新垣朋香。 この四人だ。
でもこれはあくまで自称占い師。朋香ちゃん以外はまだ信用出来てない。
そして、俺とあいちゃん、あやねさんは人間だ。
それ以外はグレー、検討もつかない。
誰が人狼なのかは全く分からないが、今回の占い師の発言を1人ずつ考えながら聞こう。
俺は朋香ちゃん以外の3人の話を半信半疑で聞くと決めた。
みなみ「楽空さん。占いの結果を聞いてもいいですか?」
相田さんが楽空さんに質問を投げかけた。
流石に相田さんもこの占い師の発言がどれほど大事なのかをよく理解している。
楽空「はい、颯人さん。人間でした!」
のんきな声でそう答える。
みなみ「次、凛恋さんどうぞ」
楽空さんの答えを聞いた直後にすぐに質問に移った。
凛恋「朋香さん。人狼じゃなかったです」
それもそうだ…
この時点で少しだけ凛恋のことを信用したのかもしれない
わかりきった情報を言われただけなのに、こんなにも安心するものなのだろうか?
それとは裏腹に、次に発言をしためるさんはありえないことを言った。
める「白玖くん。人狼だよね?占ったら人狼だったよ」
呼ばれることのない名前が呼ばれたので、俺は固まってしまった。
俺が人狼…?そんなわけない。じゃあめるさんが嘘を付いている人狼…なのか?
その瞬間俺は頭で朋香ちゃんの言葉が繰り返された。
『めるさんを占ったけど、人間だったよ』
めるさんは人間・・・
俺はこの時初めて辻褄が合わないことに理解をした。
本当の占い師なら俺が人狼なんて出るはずないのに…
ニセ占い師の人間。何でそんなことをする必要があるんだ?
市民側ならそんな嘘を付く必要がないのに…
市民側なら…
この思考のなか、俺は1つの憶測をたてた。
『人狼側につき、市民を裏切った、裏切り者』
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