20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ
 ようこそゲストさん トップページへ ご利用方法 Q&A 操作マニュアル パスワードを忘れた
 ■ 目次へ

作品名:人のフリして人の不理 作者:シン

第10回   占い師
白玖「まさか柚莉愛がな・・・」

俺は今日の会議をふまえて、俺とあいちゃん、朋香ちゃんの3人でまた会議をしていた。

俺達は3人でチームを組んで、人狼を倒そうという形で俺達はまなさんが亡くなってから結束をした。

これがバレてしまうと勿論、人狼に殺されてしまうから皆には秘密だ。

あい「柚莉愛さん…妹さんなんでしょ?」

あいちゃんが聞いてくる。

そう、柚莉愛は俺の妹でこの今の状態になったことがあるらしい。

経験者という訳だ。

白玖「あぁ、妹だよ。でもそんなこと知らなかった」

俺はその後に続けた。

白玖「あいつはつまり生存者ってわけなのだろう…だから人狼側にいたのか、一般人、いわゆる俺達側、どっちだったのかを聞かないといけないと思う・・・」

俺の言ったことに理解が追いつかなかったのか、朋香ちゃんはわかっていないようだ。

―――――生存者ということは、人狼を全員倒したか、人狼側として一般人を殺して人狼として生存したの二種類がある。前者と後者では大きく違う。

もし後者で生存したのであれば敵ということになりかねない。

だって人狼なのだから・・・

あい「確かにそうだね…今日占ってみる?」

あいちゃんは俺の言葉で理解したらしく、俺の考えてることを言ってきた。

今一番怪しいのは引っ越してきたとはいえ柚莉愛だ。

だから占っても損はしないだろう。

白玖「朋香ちゃん…柚莉愛を占ってくれるかな?」

俺は彼女に頼んでみた。

それでもこれを決断するのは彼女だ。

朋香ちゃんは首を縦に振ったが、その顔は浮かない顔をしていた。

それもそうだろう・・・

精神状態は最悪だろうし、この選択で皆の生命がかかっているんだ。

この圧力・・・12歳には重すぎるのだろうか・・・?

朋香「うん・・・分かった・・・柚莉愛さんを占うね」

白玖「ありがとう・・・」

俺はそう言って朋香ちゃんの頭をなでた。

あい「ほら!もう寝ようか!」

あいちゃんがいうと俺も朋香ちゃんも睡魔に襲われていた事に気づく。

白玖「そうだね…寝ようか、おやすみ」

そう言うと、俺達はベッドに入り、目をつむり、深い眠りについた。

* * * 

俊介「はい。会議を始めましょう」

この日の夜に亡くなったのは椎名りんご(しいなりんご)さん。

そう、この人が死んだということでこの村から出れなくなったということだ。

この門番はりんごさんだ。

門の鍵は今でも行方不明・・・

これは人狼が仕掛けてきたのか…そう捉えていいのかな?

今回の会議は凛恋のとんでもない一言から始まった。

凛恋「私、人狼が誰かを占えるんです」

俺はまた深い思考へと入っていった。

朋香ちゃんの他にそういう能力を持った人がいることに先ず驚いたということ・・・そしてその人物が凛恋だということに驚いた。

雅紀「何言ってんだ?」

凛恋「そのままのことですよ」

俺は凛恋を信じていいのか?

人狼が嘘を付いている・・・

いや、引っ越してきたばっかりだ。人狼だと仮定するのは少し難しい・・・

それでも今回のことは初めてだ。だから、半信半疑と言うしかないのだろうか・・・

楽空「私も発言いいかな?」

楽空さんが発言をした。会議をしていて初めての発言だった。

俊介「いいですよ、どうぞ」

またにしてもこの楽空さんの話にも踊らされる事にもなる。

楽空「私もわかるんです。人狼が」

占い師が3人・・・?

そんなことがあるのか?

朋香ちゃん、楽空さん、凛恋、この3人が占い師という主張だ。

朋香ちゃんは別として・・・

他の2人のどっちを信用すればいいのか・・・

いや、どっちも嘘を付いているだけかもしれない。

それすらも俺はわからなくなっていってしまった。

1人手を挙げた。亜月めるさんだった。

める「私もわかるよ〜?人狼。これは本当だよん」

面白いことに、俺の頭は思考停止した。

占い師が3人でも厄介だったのに、4人に・・・

こいつらの主張が全て大事になっていってしまう。

嘘を言われてもその人をこっちが占っていなかったら嘘か本当かもわからない。

彼らの言動によって俺達は人生が変わるかもしれないし、この4人をどうにかしないと俺達は結局勝てないということだ。

白玖「ここが正念場か・・・」

俺は唇を噛みちぎり、小声で呟いた。


← 前の回  次の回 → ■ 目次

■ 20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ トップページ
アクセス: 73