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作品名:壊れた夜 作者:月白

第2回   第一章
私…榊原理子は、退屈な大学の講義も終わり、友人たちと別れ、夕飯の買い物をしてから帰ろうとしていた矢先のことだった。

〜♪

軽快な音楽が、鞄の中で着信を知らせる。
画面を見れば、幼馴染みで、好意を寄せる相手からだった。
「もしもし。ゆうくん?」
『理子。ゆうくんは止せって、言っただろう』
電話越しでも苦笑いしてるのが伝わってくる。
「ふふ。ごめんなさい。でも、突然どうしたの?優真」
『ん?ああ。…今から会えないかな。ってさ』
「今から?優真にしては、珍しく突然ね。いいわよ。学校も終わったところだし…美鈴には、連絡した?
美鈴とは、もう一人の幼馴染み。私たちより二つ年下の女の子だ。
その子も、優真を幼い頃から好きで、よく二人で喧嘩していた。
成長してからは、それもなくなり、可愛い私達の妹の様な存在だ。
『…悪い。美鈴抜きで話したいことなんだ…今から、部屋に行ってもいいか?』
「…?わかったわ。いいわよ。待ってる」
『悪い。それじゃあ…』
ツーツー
電話が切れた。部屋、片付けていたかな?
買い物は後回しにして、急いで帰らないと…。
私は、足早に家路に就いた。


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