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作品名:陽だまりという名の喫茶店 作者:雲のみなと

第2回   愛で心を補強するのではなく 心で愛を守りたい
この世に生まれた時に約束された愛のありかを上ずった心で探してみても
涙で滲んで前がよく見えない。
惨めなほどに愛に飢え愛を欲しているだけの無駄に時間を浪費するだけの人生。
今、目の前の鏡に映っているのはそういう生き物だ。
せめてもう少し普通の体に生まれていればと思わずにはいられない。

だがこんな私だとて愛し愛される為に一番重要なものは心だということは分かっている。分かっているのにその心を今日も腐らせてしまう私。欠点を補うはずの心まで欠点に変貌させてしまったら本当に何も何もなくなってしまう。
そこまで自分を貶めなければならない理由などないはずなのに。

もうこれ以上心を腐らせては駄目だ。
誰からも愛されないこと、誰も愛せないことを他人のせいにしては駄目なのだ。
問題はいつだって心の在り方にあり、愛のありかは心の中にあるのだから。

強くなりたい。もっと心を強くしたい。脆い心の外壁を愛で補強するのではなく
心の芯を太くしてどんな嵐が来ても薙ぎ倒されないくらいになって、内側に大切に置かれた愛を守りたい。

今は心がつたなくて、内側にまだ愛は置かれていないけれどいつかきっと愛を探し当てて
それを持ち帰って心のど真ん中に置いて私は私に命ずるのだ。

その愛を一生かけて守りなさい、と。

今、鏡に映っているのが人として、女として欠点だらけの私でも生涯でたった一つしかない真実の愛を託せるだけの強い人間になりたい。


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