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作品名:陽だまりという名の喫茶店 作者:雲のみなと

第17回   皆そうなんだ



半分と半分、足して一つ。人生はそれでいいんだと思う。




人生の内訳、生きることの意義が半分。




死ぬことの意義が半分。




もし生きることの意義が多すぎたら死ぬことが怖くなるし




死ぬことの意義が多すぎたら生きることがしんどくなる。




だから生きることの意義半分、死ぬことの意義が半分、足して一つになる。




それが人生、それでいい。




だってどちらか一つでも欠けたら人生は成り立たないのだから




生きることも死ぬことも必要以上に怖がらない。




遠くで鳴る救急車のサイレンの音を耳にするたび




大切な人をまた失うのではないかと怯えることに疲れる。




だから生きることからも死ぬことからもこの世界の誰一人逃れられないと思うことにした。




皆そうなんだ。




皆そうなんだから怯える必要はないよね?



今日も自分自身にそう歌い聞かせながら暮らしている。



朝起きた時、ご飯の時、職場での休憩時、信号待ちの時、交差点を歩く時



独りになる時間があるたびに歌うのだ。



生きる意義半分死ぬ意義半分足して人生が一つなる。それでやっと気が楽になる。




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