蜜柑色の夕日が新幹線の高架の向こうへと沈んでいく。 鉄塔は薄紫の雲を枕にして今から眠りつこうとしている。 烏が寝床に連れて行くのは帳の裾。子守歌はなんだろう。 そして私は今日という日をまるで幻だったかのようして無駄に過ごしてしまった。
私の人生の正体は私。誰のせいにも出来ない。前に進むのも後に戻るのもすべて私次第。 迷うことも決断することも私次第。
あぁそれにしても私は誰かの人生の役に立てているのだろうか。 誰か一人でも救えているのだろうか。 生きる上で心もとないのは誰だって同じ。 だからこそあなたの人生におけるかけがえのない勇気にこの私がなれたらといつもいつも思ってはいるけれど。
あの蜜柑色の夕日が裏切ることなくいつものあの高架の向こうに沈んでいく限り 朝日は反対側の地平線から上り続けるのであろう。 飽きもせず繰り返されるこの世界の夜明けは、私を、あなたをまだ見放してはいないという証だ。 そう信じながら暮らしていきたい。 私の人生の正体は私だから、すべてが私次第。
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