たまには詩などを書いてみたくなりまして、お付き合いいただけたら幸いに思います。
夜間飛行
飛行機の小さな窓から夜を眺めるとそこには深い紺色の極上のしとねが広がっていて
この地球に根付いているすべてのものを優しく包み込んでいた。
その中でも一際美しく輝く星。
翼の真横に星が煌めくまたとないこの機会、手を伸ばせばその揺れる宝石を掴めるような気がした。
今、少しは愛しい空に近づけたかな?
星と同じ舞台に立ててとても幸せ。
星よ、私と手を繋いで踊ってくれませんか?夜空が惜しみない喝采を送ってくれているこの中で。
・・・とはいえこれは思い過ごし、それもただの思い過ごしではなく儚いもの。
頬を寄せ合えるぐらい近くにいるような気がしているこの距離も真実はとても遠い。
星と私の間には遥かな時が流れているんだね。
この時を超えることなんて私の短い一生ではとても出来ない。
だけどそれでいいんだ。
生まれた時からこの背中には翼がない、翼がないから飛べない。
飛べなければ空には近づけない。
やすやすと近づけないから空に恋い焦がれたままで一生、生きていける。
やがてこの身が寿命を終え、朽ちて空に上るときやっと空との逢瀬を果たすのだ。
それまでは・・・その逢瀬を叶えるまでは束の間の夜間飛行で
例え勘違いの儚い飛行だとしてもひと時でも幸せな想いに浸れるのなら。
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