雪の心が分からない
灰色のものと言えば?と問われれば真っ先に思い浮かぶアスファルトの道
そのアスファルトの道が今朝起きて見たら
昨夜から降り続いている雪で真っ白に染まっている。
一夜にしてこのありさまだ。
それにしても純真無垢なこの雪は何を思って空から舞い降りてくるのだろう。
雪の心は私には分からない。
きっとあなたもそうだろう。
雪は誰も責めず、自分自身さえ責めずただ降り続ける
時には凶器にもなるであろう自分の重みをさえ気にも留めず降り積もる。
あらゆるものを白く染め上げていく。
だから純真無垢なのではなくあるいは狂気を含んでいるのかもしれないとも思う。
雪景色を見てある者は水墨画のようだと感嘆し
一滴の墨さえ許さぬ一面の銀世界にある者は言葉をなくし立ちすくみ
時にその雪の犠牲になって命を落とす者もいる。
そのすべての者が真の雪の心が分からない
これからも知る術がないのだ。
そして雪と愛は似ていると思う。
愛についても誰もその本質に気づけないでいる。
愛というものが人に何をさせようとしているのか
いまだに愛の心が分からない。
何十年、何百年生きても人は誰も愛の本音が掴めない。
ただただ振り回され、戸惑うばかりだ。
愛は美しい、雪のように美しい、それは誰でも感じるけれど
愛が何を思い、なぜ人の心に降り積もり支配するのかが分からない。
雪のように美しいのにそれだけではない脅威をいつもどこかで感じている。
この雪がいつ降り止むかが読めない。
この愛がいつ止まるのか、止まらないのかさえ分からない。
雪の心も愛の心も知ろうとすればするほど答えはかけ離れていく気がする。
そして今もこうやって戸惑う私の心に降り積もるだけ。
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