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作品名:雲のみなと 作者:雲のみなと

第26回   ありふれた個性の怒りのやり場
     ありふれた個性の怒りのやり場


薄かけ布団の褥に


たった一粒の透明な涙が


すべり落ち染みとなっていく。


毒もなく又、華もなく


ありふれた個性のたわいもない怒りのやり場。


生きるって容易くない。


怒ったり悲しんだり寂しくなったりめまぐるしい。


そのめまぐるしさの中で生きるのはたまに息が切れるけど


切れても諦めずに走り続ければ


そのうち今まで見たことがないような美しい風景が見れるかな。


とりあえず今はこの狭い布団の上が怒りのやり場。


いつかこの体がはるか先のゴールテープを切れると信じて。



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