素直な詩
  海を見れば海の詩が書けるだろう。
  山を見れば山の詩が書けるだろう。
  遊園地に行けば遊園地の詩が書けるだろう。
  見知らぬ街を旅すれば見知らぬ街の詩が書ける。
  どんなものでもそれを目の前にすれば感じたことそのままの言葉が思い浮かぶ。
  それがどんなに単純なものであろうが誰に見せられるものでもなかろうが
  詩は詩。飾り気のない素直な詩なのだ。
  だからもっと思うがままに行きたい所へ行って
  見たいものを見て、感じたいままに感じればいいと思う。
  なのに、あなたのこととなると何も書けなくなってしまう。
  言葉を紡ぎだすより先にこの胸が苦しくなってしまうからだ。
  見たいもの見たくないもの、感じたいもの感じたくないもの
  あらゆるものが弦のように情念と絡まって私を襲い、簡単な言葉も鈍らせる。
  
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