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作品名:雲のみなと 作者:雲のみなと

第14回   赤裸々な夕暮れ
      赤裸々な夕暮れ


古びた黄色い砂が舞っているかのような夕暮れは


飛び急ぐカラスの羽根も重そうで。


それでも西へと帰って行かねばならないその姿は


なぜかしら、さがの化身に思えてならない。


小石も草も建物も眠りにつく時の安らかな息を立てるから


邪魔をしないようについひそやかに歩いてしまう。


そしていつも夕日が見せる赤裸々な赤に心を奪われ


自分に声があることさえ忘れてしまう。



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