他愛もない一文
「どれほどの強がりも一瞬で縮み上がらせた現実に驚き。」
「自分なりに精いっぱい踏み出してみたつもりでも果たしてこれを最初の一歩と名付けていいのか分からない。」
「世界が辿る結末などに思いを馳せるよりもこの布団の中にある小さなぬくもりを望んでいる。」
「血のつながった人にいつもいらつきながらも結局憎めず。」
「愛する人を思うたびにこの爪先までも自分ではない色に染まる。」
「突然降ってきた雨に憤りながらも過ぎてしまえばいつものことと受け止めている。」
頭に浮かあがった一文。
それを雑多なノートに書き留めた。
たいして役にも立たない一文だけどひょっとしていつの日か人生の足しになるかもれない。
「沸騰しているやかんに思わず触ってしまった、熱かった。」
こんなどうしようもなく当たり前のことでも生きているからこそ感じられること。
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