地上でもっとも幸せな落書き
凍えるほどに大気が澄めば澄むほど夜空の星が鮮やかに輝くように
あなたとの距離が遠くになればなるほどあなたがこの胸を強く締めつけるのです。
分厚い雲が重く低く垂れこめる鉛色の朝も
夕日が空を物憂げな藤色に染める夕刻も
旅人が旅を続ける理由を捨ててしまいたくなるような静かな水色の午後も
あなたの笑顔一つで瑞々しいバラ色の風景に変わってしまう。
あなたの笑顔はあらゆるものを幸せにする風。
もし私の体がこの世から消えてもあなたと過ごした日々は
この最果ての地上に風紋のように刻まれる。
これは私の為だけに描かれた地上絵。
これほどまでに強く幸せな時間をあなたは描いてくれた。
それは私にしか意味を成しえない、地上でもっとも幸せな落書きなのです。
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