きょん姉さんは、思わず子供のように叫んだ。 「ぅわ〜〜〜、アルパカだわ〜〜!」 アルパカ牧場の入口の看板には、日本語と英語と中国語で書かれてあった。 「中国語の時代ですね〜。」 「最近、中国の人が別荘を建てているんですよ。」 「高野山にですか?」 「はい。」 「金持ちだなあ〜。」 牧場の中には、八頭のアルパカがいた。二人は入場料大人一人三百円を払って中に入った。二人は、親を無条件に慕うカルガモの赤ちゃんのように、のこのこと若い女性の係りの人に、後追い歩きでついて行った。 姉さんは、アルパカを見ながらにこにこしていた。 「ぅわ〜〜〜、アルパカだわ〜〜!」 アニーも、姉さんに感化されたのか、にこにこしていた。 「アルパカって、白ばっかりじゃあないんですね。」 係りの人が説明した。 「白が多いんですけど、茶色や黒やグレーや、それらの色が混ざったのとか、いろいろいるんです。」 姉さんが係りの人に尋ねた。 「触ってもいいんですか?」 「はい、いいですよ。」 姉さんは、恐る恐る長い首の上を触った。 「ぅわ〜〜〜〜〜ぁ、ふわふわ!」 アルパカはおとなしかった。 アニーも背中を触った。 「ぅわ〜〜〜、フルフィー!」 アルパカはおとなしかった。 係りの人が説明した。 「アルパカは、とてもおとなしくって人懐こいんです。アンデス高地の家畜ですから。」 姉さんは、優しく触りながら、アルパカの顔を見ていた。そして、係りの人に尋ねた。 「なんだか、顔はラクダに似てますね。」 「ラクダの種類なんです。」 「ああ、やっぱり。」 アニーは、姉さんの後ろにいた。 「わたし、羊の仲間とばかり思っていたわ。ぅわ〜〜、もこもこで気持ちいいわ〜。」 黒いアルパカがやってきた。係りの人に顔を近づけてきた。 「嫉妬して、こうやってやって来るんです。こっちも触ってやってください。」 アニーは回り込んで、同じように背中を触った。 「わ〜〜、こっちも、もこもこだわ〜〜!」 姉さんも、黒いアルパカの前からやってきて、首の後ろを触った。 「ぅわ〜〜〜、もこもこ〜〜!こういうベッドが欲しいなあ〜!」 アルパカが、ァ〜と鳴いた。トンボが、彼らの近くを今生きるために飛んでいた。少し離れたところに、リスが草に隠れて彼らを見ていた。太陽は、全てに公平に今輝いていた。高野山は、緑のそよ風いい日だな〜♪だった。
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