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作品名:高野山 人間村 作者:毬藻

第170回   謎のUFO
突然、上空が光った。みんなは上空を見上げた。緑色の発光体が飛んでいた。
「なんだ、ありゃあ!?」
「ユーフォーかしら?」
アニーが「わたし、酔っぱらちゃったみただわ。」と呟いた。
光る物体は、天軸山の上空を円を描いて飛んでいた。
子供たちは、何も言わずに呆然と見ていた。
光る物体は、ログハウス上空で停止すると、何かを確認したようにして東の空に飛んで行った。
「わたし、なんだか酔ったみたい、変なのが見えたの…」
「アニーさん、酔ってなんかいませんよ。わたしも見たんですから、蒲田さんも、子供たちも。」
「あ〜〜〜、確かに見たよ、この目で。」
真由美は不思議な顔をしていた。
「なあに、あれ?」
沙織も同様な様子だった。
「なんなの、あれは?」
みんなは、気味が悪くなった。鎌田が慌てて、みんなに言った。
「芋煮パーティは、これで終わりにしましょう!」
「そうですね、なんだか気味が悪くなってきましたね。」
アニーは、まだ空を見ていた。
「アニーさん、さあ帰りましょう!」
「みんなも帰ろう!」
姉さんは、鎌田に挨拶した。
「どうも、ご馳走様です!とっても美味しかったです。今度、またゆっくりと、お話を。」
「はい、こちらこそ。」
みんなは、庭から出て行った。二羽のウサギが見送りに来たように近づいてきた。
真由美がウサギに「ウサギさん、またね〜〜!」と言っていた。
鎌田が慌てて出てきた。
「沙織ちゃん、ちょっと待って!」
「はい。」
鎌田は、オート姿勢制御の並列二輪モーターバイクのセグウェイに乗って現れた。子供たちは、ダチョウのリアカーに乗っていた。真由美は大事そうに鍋を持っていた。蓋が洗濯挟みで動かないようにしてあった。
「熊が出ると大変だから、牧場まで送っていくよ。」
「大丈夫です。」
「大丈夫じゃないよ。事故でもあったら、お父さんにしかられるよ。」
鎌田は「じゃあ、行こう!」と言って走り出した。ダチョウのリアカーも走り出した。
姉さんは「今日は、ほんとうに、ありがとうございました〜!」と言って歩き出した。アニーは酔っているのか、鎌田に手だけ振っていた。「さあ、アニーさん、帰りましょう!」姉さんは、左手でアニーの右の二の腕を持っていた。「帰っちゃうの、もう?お姉さま?」
「あらあら、完全に酔ってるわ。」
ログハウスに辿り着くと、姉さんは鍵を開けて入った。福之助はテレビを観ていた。振り向き、立ち上がると、二人に近づいた。
「どうしたんですか?」
アニーが、福之助に抱きついた。
「福ちゃ〜〜〜ん!逢いたかった〜〜!わたし、酔っちゃったの〜!」
福之助は倒れそうになった。
「大丈夫ですか、アニーさん?」
「アニーさん、大丈夫?」
アニーは「大丈夫!」と言って、自分のベッドに倒れ込んだ。



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