隊長は、大きなソファーのあるゲストルームでコーヒーを飲みながら何かを考えていた。必死に考えていた。雑用の地球人の女性社員が入って来た。 「社長、インターネットから取り寄せたシフォンケーキです。」 「ありがとう。」 社員は出て行った。隊長は、ここでは社長だった。隊長は一口食べた。 「うん、頭の疲れたときは、こういうのが一番だな!おまえも食べろ。」 「はい!」 隣には、副隊長が座っていた。一口食べた。 「これは、いい甘さですね〜!」 「そうだろう。」 甘党でない副隊長は、隊長に合わせていた。隊長は、地球人の週刊誌に目が行った。 「里の買い物難民急増!っかあ〜。大変なんだな〜。」 「今、問題になってるらしいです。」 「そうか…」 隊長は、何か考え込んでいた。 「そうだ!これだ!」 副隊長はびっくりした。 「あいつらに、買い物をやってもらおう!」 「あいつらって?」 「暴走族の若者だよ!」 「買い物をですか?」 「そうだよ。各家を回って、その日の買い物を聞いて届けてやるんだよ。」 「無料でですか?」 「無料じゃなくって、お金はないだろうから、野菜とかをもらってくる。どうだい?」 「その野菜は、どうするんですか?」 「集めたら、売るんだよ。」 「どこで?」 「この近くでだよ。ここでもいいよ。」 「売れますかね〜〜。」 「買い物の注文で売れるだろう。」 「慈善事業ですね〜〜。」 「儲けは二の次だよ。彼らなら、三輪のオートバイクで細い道でもへいちゃらだろう。」 「なるほど、困ってる老人と、暇な若者の有効活用ですか?」 「そういうことだな。」 「隊長は天才ですな〜。総理大臣になれますよ。」 「おだてるな!」 「でも、赤字ですけど。」 副隊長は心配していた。 「赤字赤字って、うるさいな〜。」 「すみません。」 「おまえも考えろ!」 「はい!」 副隊長は考えた。 「隊長、ついでに畑仕事を手伝うってのはどうでしょう?」 「ばか、それじゃあ、地球温暖化に貢献できないじゃないか。」 「あっ、そうか!」 「走り回って、炭酸ガスを撒き散らさないと駄目なんだよ。」 「そうですね。」 「おまえは、考えが浅いな〜。」 「すみません。」 「…そうだ!いい考えが浮かんだぞ!」 「何ですか?」 「宅急便屋が、細い道の配達に困ってるって聞いたことがあるぞ!」 「はい、聞いたことがあります。」 「彼らを使うんだよ。」 「若者をですか?」 「あいつらなら、どこでも走れる。」 「そうですね。」 「配達して委託料を貰うんだよ。」 「なるほど!いい考えですね〜!隊長はビジネスの天才だ!」 「そうかい?」 「はい!天才です!」 隊長は、ケーキを全て食べた。副隊長も全て食べた。 「じゃあ、これから具体的に話しを進めよう!」 「はい!」
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