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作品名:高野山 人間村 作者:毬藻

第161回   隊長はビジネスの天才!
隊長は、大きなソファーのあるゲストルームでコーヒーを飲みながら何かを考えていた。必死に考えていた。雑用の地球人の女性社員が入って来た。
「社長、インターネットから取り寄せたシフォンケーキです。」
「ありがとう。」
社員は出て行った。隊長は、ここでは社長だった。隊長は一口食べた。
「うん、頭の疲れたときは、こういうのが一番だな!おまえも食べろ。」
「はい!」
隣には、副隊長が座っていた。一口食べた。
「これは、いい甘さですね〜!」
「そうだろう。」
甘党でない副隊長は、隊長に合わせていた。隊長は、地球人の週刊誌に目が行った。
「里の買い物難民急増!っかあ〜。大変なんだな〜。」
「今、問題になってるらしいです。」
「そうか…」
隊長は、何か考え込んでいた。
「そうだ!これだ!」
副隊長はびっくりした。
「あいつらに、買い物をやってもらおう!」
「あいつらって?」
「暴走族の若者だよ!」
「買い物をですか?」
「そうだよ。各家を回って、その日の買い物を聞いて届けてやるんだよ。」
「無料でですか?」
「無料じゃなくって、お金はないだろうから、野菜とかをもらってくる。どうだい?」
「その野菜は、どうするんですか?」
「集めたら、売るんだよ。」
「どこで?」
「この近くでだよ。ここでもいいよ。」
「売れますかね〜〜。」
「買い物の注文で売れるだろう。」
「慈善事業ですね〜〜。」
「儲けは二の次だよ。彼らなら、三輪のオートバイクで細い道でもへいちゃらだろう。」
「なるほど、困ってる老人と、暇な若者の有効活用ですか?」
「そういうことだな。」
「隊長は天才ですな〜。総理大臣になれますよ。」
「おだてるな!」
「でも、赤字ですけど。」
副隊長は心配していた。
「赤字赤字って、うるさいな〜。」
「すみません。」
「おまえも考えろ!」
「はい!」
副隊長は考えた。
「隊長、ついでに畑仕事を手伝うってのはどうでしょう?」
「ばか、それじゃあ、地球温暖化に貢献できないじゃないか。」
「あっ、そうか!」
「走り回って、炭酸ガスを撒き散らさないと駄目なんだよ。」
「そうですね。」
「おまえは、考えが浅いな〜。」
「すみません。」
「…そうだ!いい考えが浮かんだぞ!」
「何ですか?」
「宅急便屋が、細い道の配達に困ってるって聞いたことがあるぞ!」
「はい、聞いたことがあります。」
「彼らを使うんだよ。」
「若者をですか?」
「あいつらなら、どこでも走れる。」
「そうですね。」
「配達して委託料を貰うんだよ。」
「なるほど!いい考えですね〜!隊長はビジネスの天才だ!」
「そうかい?」
「はい!天才です!」
隊長は、ケーキを全て食べた。副隊長も全て食べた。
「じゃあ、これから具体的に話しを進めよう!」
「はい!」


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