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作品名:高野山 人間村 作者:毬藻

第130回   忍者隊月光
真由美が玄関の前を掃除してると、ダチョウに乗った沙織が通りかかった。
「沙織ちゃ〜〜ん!」
「真由美ちゃ〜ん、お掃除?」
「そう。中国人の大学生が来るの。お母さんの脚を治しに。」
「え〜〜、ほんと〜!?」
「お父さんが、中国の有名なお医者さんで、日本につれてきて治してやるって。」
「よかったわね〜!」
「いつ来るの〜?」
「三時に来るって言ってたわ。」
「まだ早いわね〜。」
「あっ、そうだ!沙織ちゃん、芋煮パーティに行かない?」
「なあに、それ?」
「鎌田さんが、里芋が沢山あるから食べにおいでって、だから六時に食べに行くの。」
「わたしもいいの?」
「誰でもいいのよ。」
「鎌田さんって、天軸山公園の管理人さんでしょう?」
「そうよ。ああそうか、沙織ちゃんは高野山には今年来たから、食べたことないんだね。」
「うん、食べたこと無いわ。」
「じゃあ、鎌田さんのところに行って頼んでくるわ。」
「管理人さんのところまで行くの?」
「そうよ。」
「じゃあ、これに乗せてってあげるわ。」
「これに〜〜?」
「子供二人くらいは平気よ。」
「ダチョウさん、可哀想だわ。」
「だいじょうぶだって!」
ダチョウは、真由美の顔を見ていた。
「ダチョウの足は強いんだから。」
沙織は、席を空けた。
「ここに乗って。」
「ちょっと待って、お母さんに言ってくるから。」
「うん。」
すぐに真由美は戻って来た。そして静かに乗った。
「ダチョウさん、おねがいしま〜す。」
ダチョウは首を振っていた。
「まかせとき〜!って言ってるわ。」
「ほんと?」
「ほんとよ。わたし、ダチョウの気持ちが分かるの。」
「すごいなあ〜。」
出発しようとしたら、見知らぬ男がやってきて立ち止まった。
「いいなあ〜、ダチョウさんの車!」
子供たち二人は、「こんにちわ〜!」と挨拶した。
男は、
「ぼく、漫画家の水木しげる先生の弟子で、小峰といいます。まったね〜〜!」
と言って去って行った。二人は、きょとんとしていた。」
「真由美ちゃん、、あの人何かしら、知ってる人?」
「知らないわ。変な人。」カラスが飛んできて、男の頭にフンを落とした。
二人は叫んだ。
「あっ!」
男は、反射神経がよく、身軽だった。素早く横にステップして避けた。二人は驚いた。
「見た、真由美ちゃん!」
「あの人、まるで忍者隊月光みたいだわ〜!」
「なあに、それ?」
「知らないの?」
「知らない。」
「管理人さんのところに写真があるわ。」
「見たいわ。」
「じゃあ、これから見に行きましょう。」
「うん。」
二人は、管理人のいる家に向かった。


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