「来年は、何度まで気温が上昇するか楽しみですな〜、隊長!」 「実に楽しみの極みだなあ〜。」 「何人死にますかねえ?」 「少なくとも、今年よりは多いはずだよ。」 「実に楽しみですなあ〜。利口人間が、食い止めなければいいんですけど。」 「地球人の世界は、民主主義だから大丈夫だよ。」 「どうしてですか?」 「大勢の馬鹿が決めるからだよ。それが民主主義っていうやつなんだよ。またの名を、衆愚政治って言うだろう。」 「な〜〜るほど!じゃあ大丈夫ですねえ。」 「そういうことだ。民主主義ってのは、一人の天才がいても、大勢の馬鹿で決まるんだよ。」 「安心しました。」 「大丈夫だよ。今更、地球人の科学で何が出来る?」 「そうでございます!」 「人間たちが、動けば動くほど、働けば働くほど、炭酸ガスは増えてくる。」 「やつら、動くのが好きですからなあ〜。」 「俺たちと違って、先祖が猿だからな。」 「そういうことですな。」 「これで俺たちも、胸を張ってアンドロメダの故郷に帰れるぞ!」 「はい!」 「もう少しの辛抱だ。長かったなあ〜、何千年もかかってしまったなあ〜。」 「はい!」 「来年は、何度まで行くかなあ?」 「さ〜〜?」 「後で。食事をしながら皆で賭けよう!」 「はい!」 ログハウスの外では、まだ踊りと歌が続いていた。
第三世界が来るぜ〜〜 ♪ 春よ来い〜〜 ♪ 子供達もフラフラ〜 政治家もフラフラ〜 ♪ 右も左もフラフラ〜 ♪
「いい歌ですなあ〜、隊長。」 「ああ、実にいい歌と踊りだ。」 「あのロボット、何なんでしょうね?」 「何なんだろうな?」 「いきなり現れて踊りだしましたけど?」 「馬鹿ロボットか?」 「そうかも知れませんねえ?」 「そうだそうだ、馬鹿ロボットだ!見ろ、あの顔と踊り。」 「そうですねえ、どう見ても馬鹿顔してますねえ。」 「所詮、地球人のロボットだからな。この程度のものだ。」 「親が地球人ですからなあ。」 隊長は笑い出した。 「はっはっはっは!」 「隊長、馬鹿ロボットが踊りを止めて帰って行きます。」 「おっ、ほんとだ?どうしたんだ?」 「馬鹿のやることは分かりませんねえ?」 外の仲間たちは、そのロボットに手を振っていた。ロボットがいなくなると、彼らは再び元の奇妙な踊りを始めた。 「あのロボット、どこから来たんでしょうかねえ?」 「近くにいるんじゃないのか?」 「そうかも知れませんね。」 隊長は、窓の外の山々を見ていた。 「アンドロメダの故郷かあ…」 隊長は、山崎ハコの望郷を歌いだした。
青い空 白い雲〜〜♪ かけまわり 蝶々とり遊んだ〜 故郷(ふるさと)〜 ♪
時は、恙無(つつがな)く前に流れていた。
ドラゴンルーレットをやってみる
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