スミレちゃんは、木の上のハンプティ・ダンプティに尋ねた。 「ハンプティ・ダンプティ、どこから来て、何しに来たの?」 「鏡の国から来たんだ。遊びに来たんだ。」 「わざわざ、こんなとこまで?」 「いいじゃないか、勝手だろう。」 「そうだけども…」 「文句あるのか?」 「ないよ〜だ!」 「お前の変な声が聞こえたんだ。」 「鏡の国から?」 「ああ、聞こえた。とっても変な声がな。」 「とっても変な声?」 「お前の、とてつもなく変な声がな。」 「失礼しちゃうわ!」 「俺様は偉いから、ごめんごめん!なんて絶対に謝らないからな〜。」 「あなたって、王様みたいに、いつも威張っているのね。」 「あたりまえだ。とにかく俺様は一番偉いのだ。」 「それだけで来たの?」 「そうだ。」 「ずいぶんと、暇なんですねえ〜。」 「とっても忙しいいくらいに暇なんだ。ははは!」 「どっちなんですか?」 「退屈だったから、彷徨える人間を見に来たんだ。」 「意地悪ねえ。」 「意地悪は心に楽しいぞ。」 変な会話が続いていた。が、けんけん姉さんは隠しながら笑っていた。それを発見したハンプティ・ダンプティは、風船のように顔を膨らませて怒り出した。 「お前、隠しながら笑うなんて失礼じゃないか!」 姉さんは、素直に謝った。 「ごめんなさい!」 「お前にも、名前はあるのか?」 スミレちゃんが怒って答えた。 「あるわよ〜、失礼ねえ!」 「何という名前だ?」 「けんけん姉さん。っていう素敵な名前よ。よく覚えておきなさい!」 「けんけんねえさん?とてつもなく変な名前だなあ〜?」 スミレちゃんは、大好きな姉さんのことを言われたので、思わず、むっと来た。 「あんたこそ、変な名前じゃない。ハンプティ・ダンプティなんて、ちゃんちゃら変だわ!」 「ちゃんちゃら変?変な言葉だなあ〜。どういう意味だ?」 「とっても変だわ。という意味よ。」 「俺様を馬鹿するとは、世界一とんでもない奴だ!」 「変な顔、変な格好!」 「俺さまの名前は、この形、とても格好がいいこの形を、よくも馬鹿にしたな!」 「ああそうですか。…卵おじさん!」 ハンプティ・ダンプティは、大きな目玉がなおさらに大きくなった。 「た・ま・ご、おじさん!?」 「足元に注意しないと、卵は落っこちたら割れちゃうわよ〜。」 ハンプティ・ダンプティは、大いに怒った。 「なんだとう!また、俺様のことを、卵と言ったな!」 木の上に立ち上がった。 「わぉ〜〜〜!」 ハンプティ・ダンプティは、木の上から落ちた。 みんなは、驚いて卵みたいなハンプティ・ダンプティに駆け寄った。
ハンプティ・ダンプティ 塀の上に座ってた ハンプティ・ダンプティが落っこちた 王さまのお馬と王さまのけらい みんなよっても ハンプティ・ダンプティを元に戻せなかった
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