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作品名:ニート革命軍 作者:毬藻

第60回   謎の極秘情報
カーテンの開いている窓側から、けたたましい警報音が聞こえてきた。
みんなは驚いた。
姉さんは窓を見た。
「何、今の!?」
座っていた福之助は、立ち上がった。
「龍次の吠太郎(ほえたろう)です。」
福之助は、窓際まで行って、窓の外を右に見て、左に見た。
「おかしいなあ、誰もいません。」
姉さんも、確認にやって来た。
「そうだねえ。」
アニーは座っていた。
「誤動作じゃないんですか?」
姉さんは、「そうかもね。」と言って席に戻った。
「福之助、念のために見て来て。」
福之助は、「はい、見てきます。」と言って、出て行った。
福之助は、間もなく戻って来た。
「誰もいなかったです。スイッチを切って来ました。」
「やっぱり、誤動作かなあ。」
「そうですね、あれ安そうですから。」
「そうだね、自然薯(じねんじょ)みたいな龍次が作ったやつだからね。」
「そうですね。」
みんなは、大笑いをしてジルバのステップで踊りだした。
「じねんじょ、じねんじょ♪」
「じねんじょ、じねんじょ♪」
「じねんじょ、じねんじょ♪」
「福之助、おまえのは、ジルバじゃなくって盆踊りだよ。」
「あちゃ〜〜!」
一踊りすると、みんなは元の席に座った。
「アニーさん、大丈夫?踊ったりして?」
「このくらいは、だいじょうぶですよ。」
「あっ、そうだ。風邪薬を飲んだほうがいいんじゃないかしら。」
「そうですね。忘れてました。」
「福之助、薬と水を持って来て。」
「はい。」
「それにしても、さっきのショーケン、似てましたねえ。」
「そうですねえ。」
福之助が戻ってきて、薬と水の入っているコップをテーブルの上に置いた。
「はい。」
アニーは、福之助を見ながら、「ありがとう。」と言った。
福之助は、アニーを見ながら元の席についた。
姉さんが立ち上がり手を伸ばし、福之助の頭に手刀を当てた。
「空(す)きあり〜!」
「何するんですか!?」
「おまえ、空(す)きだらけだよ。」
「何ですか、いきなり?」
「空(す)きだらけ。」
アニーは、クスクスと笑っていた。
「あなた達、面白いわ。」
姉さんは、福之助を睨んでいた。
「福之助。」
「何ですか?」
福之助は、手を上げ身構えていた。
「さっき、ショーケンを写したんだろう。」
「はい。」
「それ、わたしの携帯とアニーさんの携帯に送ってくんない。」
「はい。」
姉さんは、携帯を出した。アニーも出した。
「はい、送りました。」
姉さんとアニーは携帯の画面を見た。
「姉さん、行った?」
「ああ、来たよ。」
「わたしのにも入ったわ。」
「これ、本物のショーケンだよ。」
「そうですねえ…」
「どういうことかしら?ショーケンが、なぜこんなところにいるのかしら?」
「でも、このショーケン、なんだか変だわ。」
「えっ、何がですか?」
「これ、昔のショーケンだわ。若い頃のショーケンだわ。」
「なるほどぉ、二十代の頃の顔ですねえ。いったいどういうことかしら?」
「…ひょっとしたら。」
「ひょっとしたら?」
「ひょっとしたら、コピーじゃないかしら?」
「コピーって?」
「クローン人間。」
「クローン人間・・」
「そういう謎の極秘情報があるんですよ。」
「謎の極秘情報?」


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