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作品名:ニート革命軍 作者:毬藻

第5回   ウイルス感染!
その日の朝、ニート調査司令部から、電話が掛かってきた。
「はい。分かりました。」姉さんは電話を切った。
隣にいたロボットの福之助が尋ねた。
「どうしたの、姉さん。」
きょん姉さんは、険しい顔になっていた。
「高野山(こうやさん)調査命令が出た。」
「高野山にまた行くの?」
「命令じゃあ、仕方ないね。」
「いつ行くの?」
「明日出発だよ。現地で地球刑事アニーに合流だって。」
「地球刑事アニー?なんですか、それは?」
「さ〜あ、何だろうね?そう言ってたよ。」
「はじめて聞く名前ですね。」
「秘密機関かもしれないね。」
「それにしても、ずいぶんと急なんですね。」
「ちょっと、買い物に行ってくるよ。」
「わたしも行きます。」
「のろまだから、いいよ。」
「そりゃあないよ〜、姉さ〜ん!」
「明日のために、自分のメンテナンスでもしときな。」
姉さんは、福之助を残して、さっさと出掛けて行った。
買い物から帰ってくると、福之助が、椅子に座って目を回していた。
きょん姉さんは、びっくりした。
「福之助、どうした!?」
福之助は、緩慢な動きで立ち上がると、ようやく声を出した。
「姉・さ・ん、ウ・イ・ル・ス・に・感染・し・た・みたい・」
「ウイ・ルス!」
「駆除・プ・ロ・グ・ラム・を、胸に・差・し込・ん・で・くだ・さ・い。」
「どこにあるの?」
「パソ・コ・ン・の上・に・あり・ま・す。」
姉さんは急いでパソコンの前に行き、探した。
「この緑色のやつ?」
「そ・う・です。それ・を・胸に・差・し・込ん・で・く・だ・さい。」
姉さんは急いで差し込んだ。
「姉さ・ん、し・ば・らく・の・あい・だ、停止・し・ま・す。」
「分かった!」
福之助は、ゆっくりと椅子に掛けなおすと、動かなくなった。胸の表示画面に、処理内容と処理時間が表示されていた。

 処理内容 ウイルスチェック
 処理時間 12分52秒

「まったく、人騒がせなやつだなあ。」

 処理内容 ウイルスチェック
 処理時間 11分18秒

「また、変なフリーソフトをダウンロードしたんだろう。馬鹿なやつだ。」





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