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作品名:ニート革命軍 作者:毬藻

第26回   変なロボット
「女とか、家族とか、家とか、そういうものに騙されて、男は一生懸命に働く。」
「そうですねえ。」
「そんなものは、みんな、神様の罠なんだよなあ。」
「罠…?」
「神のトリック。」
「神のトリック…」
「動物は、食べないと生きて行けないでしょう。だから、味覚という快感を与えたんだよ。」
「なるほど…」
「味覚がないと、動物は食べなくなって死んでしまうから。」
「な〜るはど。ショーケンさんは面白いこと言いますねえ。」
龍次は、感心して聞いていた。
黙って聞いていたアキラが、横から口を挟んだ。
「ま〜〜た、始まったよ。兄貴の超変な理屈が。」
龍次は遮った。
「いや、面白いよ。ショーケンさんの論法は。斬新で奇抜な考えだよ。」
「そうかなあ〜〜。変わってるだけじゃないの。」
「ショーケンさんは、天才の感性を持っているよ。」
「そうかな〜〜。」
ショーケンが、アキラを睨んだ。
「おまえ、うるさいんだよ!バカには天才が見えないの。」
外は大雨で、雷鳴が轟いていた。
「つまり、すべての本能は、神のトリックってわけですね。」
「そういうことかな。」
「なるほどぉ〜。」
アカデミックな龍次には、ショーケンの考えは意表をつく論法だった。
「王手飛車取りみたいな考えですねえ。」
「おおてひしゃとり?」
アキラが得意そうに言葉を入れた。
「王手飛車取りは、得意だよ。」
「おまえ、将棋だけは、不思議と強いんだよな。」
龍次が、目を大きく開けた。
「ほ〜〜〜、それはいいなあ。わたしも強いんですよ。後でやりましょうか。」
「あ〜〜、いいよ。手加減しないよ。」
「わたしも、勿論ですよ。」
奥のほうから、声がして、女性が二人入ってきた。
「栗ご飯と、鮎の塩焼きです。」
そう言うと、お盆の上のものを、テーブルの上に並べた。並べ終わると、女性は、即座に戻って行った。
別の女性が入ってきた。
「松茸のお吸い物です。」
龍次が、「ありがとう。」と、その女性に言った。
アキラは、松茸の匂いに反応した。
「松茸!」
アキラを見ながら、龍次は微笑んでいた。
「この前、みんなと山の奥に入って取ってきたんですよ。」
「松茸が取れるんだ。」
「沢山取れたので、お世話になってる高野山の方々に配りました。」
「ラッキー!いいときに来たってことだ。」
「そうですね。」
女性は、戻ろうとした。龍次が止めた。
「ちょっと、待って。」
「はっ、何でしょうか?」
「眠り姫さんは、確か、横須賀だったね?」
「はい。」
「この人達も、横須賀なんだよ。」
眠り姫は、二人を見た。女性は、頭を下げた。
「横須賀の、どの辺りですか?」
アキラが答えた。
「浦賀。」
「わたし、観音崎(なんのんざき)です。」
「ああ、そうなの。兄貴は、育ちは横須賀だけど、生まれは不明。」
龍次が答えた。
「ショーケンさんは、大菩薩だよね。」
ショーケンは、びっくりした。
「えっ、なんで知ってんの?」
「ショーケンさんのことだったら、何でも知ってますよ。」
「え〜〜、気持ち悪いなあ!」
「兄貴は、有名人だからな。」
男が入ってきた。
「先生。セグウェイに乗った、変なロボットが、先生の弟子にしてくれと来ています。どうしましょう?」
龍次は、顔をしかめた。
「ロボット!?」龍次の声は、裏返っていた。


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