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作品名:ニート革命軍 作者:毬藻

第205回   コーラ、びっくり!
集会所に、人間村の住人が飛び込んできた。
「ポンポコリンさ〜〜ん、お腹が痛〜い!」
「胃が痛いの?それとも腸?」
「腸!」
「何を食べたの?」
「テーブルの上にあった、ハンバーグ!」
「あなたの家の?」
「そう!」
「そのハンバーグ、今日作ったの?」
「ううん。」
「ううんって?」
「テーブルの上にあったんですよ。」
「テーブルの上にあった?いつからあったの?」
「分からない。とにかくあったんですよ。」
「分からない?とにかくあった?あなたが作ったんでしょう?」
「たぶん、そうです。」
「たぶん?」
「朝からあったのかも知れないし、それ以前からあったのかも知れない。覚えていないんですよ。」
「何それ、どういうこと?」
「いちいち確認してないから、分からないんですよ。」
「どういうことですか?食べ物を管理してないの?」
「管理?」
「古いとか新しいとか、古かったら捨てるとか。」
「勿論、古かったら捨ててますよ。でも分からないときがあるんですよ。」
「分からないときがある?何、それ!?」
「お腹が空いてると、何も考えないで食べちゃうんですよ。」
「小学生以下ね。臭(にお)いとかで分かるでしょう!」
「臭(にお)いとか嗅がないで食べたもので。」
「なぁに、それ?犬や猫だって、食べる前には臭いくらい嗅ぎますよ。」
「そうなんですか?」
「動物の基本です。」
「そうなんですか?」
聞いていた忍(しのぶ)が、呆(あき)れて口を出した。
「バッカじゃねえのかよ!」
男は恐縮していた。
「自分でも、馬鹿だと思っています。」
「なんだ、そりゃあ?」
ポンポコリンも呆れ果てていた。
「とにかく注意してくださいよ〜!」
強い口調になっていた。
「自分を守れるのは、自分だけですよ!」
男は、お腹を両手で押さえて蹲(うずくま)った。
「痛ててててて!」
忍は怒った。
「ったく、しょうがねえなあ〜!」
「兎に角、ベッドに寝かせましょう!」
ポンポコリンは、治療室のベッドに連れて行った。
「変なやつがいるよな〜〜!バッカじゃねえのか!」
ポンポコリンが、治療室で怒っていた。
「自己管理と衛生管理、子供じゃないんだから、しっかりしてくださいよ〜!」
「はい!」
「食べて横になるのはいいんですが、そのまま寝ないでくださいよ。」
「えっ、どうしてですか?」
「腸に下がらないでしょう。いつまでも食物が胃の中に留まっていると、胃が悪くなります。」
「どうしたらいいんでしょう?」
「考えたら分かるでしょう。腸に下がるまで起きているんですよ。」
「あっ、そうか。」
「食べてから横になるときは、右半身を下にしてください。」
「えっ、どうしてですか?」
「胃の出口が、右にあるからですよ。」
「あ〜〜、そうなんですか。知りませんでした。」
「そんなことも知らないんですか?中学生でも知ってますよ。」
「すみません!」
「食べることは、人間にとって一番危険なことなんですよ。」
「一番危険なこと?」
「外のものを体内に入れるわけですから。危険なものを食べると死にます。」
「なるほど!」
「あなた、そんなことも分からないで、今まで生きてきたんですか?」
「はい。」
忍は、呆れ果てていた。
新しく来た若い男も、呆れた様子だった。
「アメリカ人は、お腹が痛いときには、コーラを飲むんですよ。」
「えっ、そうなの?」
「ロスに行ったときに、お腹が痛くなって、病院に行ったんです。そしたら、コーラが出てきて、飲んだら良くなるって言われて、びっくりしたんですよ。」
「え〜〜〜、ほんとぉ!?」
「ほんとうに、ほんとなんです。」
「コーラ、びっくり!」



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