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作品名:ニート革命軍 作者:毬藻

第19回   謎の<みろく石>
アキラは、コンビニから走って戻ってくると、軽く手を上げた。
「お待たせ〜。」
それから、素早く電動四輪自転車 に乗り込んだ。
「はいよ、兄貴!」
買ってきたタバコを、ショーケンに渡した。
「サンキュ!」
「あのロボットがいたよ。」
「あのロボット?」
「花火大会で、コーラを買ってたロボット。」
「へ〜〜ぇ?」
りゅうじが、左右を確認すると、「じゃあ、行きましょうか。」と言い、四人は漕ぎ始めた。
ショーケンが少し遠慮しながら、りゅうじに尋ねた。
「いつも、ここで何をしてるんですか?」
「高野山内を掃除してます。」
「だから、リアカーがあるんだ。」
「こっちに来るときに、頼まれた野菜やタマゴなどを積んで来るんです。」
「作ってんですか?」
「作ってるものもありますが、各寺から頼まれたものを農家から調達して持って来るんです。」
「あ〜、そういうこと。」
「ここでは、ご飯も、釜(かま)で炊いてます。」
「おいしそうだなあ。でも、手間がかかるんじゃ?。」
ショーケンは、小さい頃の田舎暮らしを思い出していた。
「うちには、お金はありませんけど、人だけはいますから。」
「なるほどね。」
アキラは、歩道の奥にある変な石を見ていた。
「なんだ、ありゃあ?」
隣の甲賀しのぶが、それを見ながら答えた。
「みろく石です。」
「みろく石?」
小さなやしろに、隕石みたいな黒い石が置かれていた。
「なんだか、不気味な石だなあ。」
龍次が声をかけた。
「ちょっと、止まりましょう。」
ブレーキをかけると、電動四輪自転車は、みろく石の前で静かに止まった。
「高野山の謎なんですよ。」
「なんだか重そうで、そういうかんじだなあ。}
「それが何なのか、なぜそこに祭られているのか分かってないんです。嵐の前に妙な音を発するらしんですよ。」
「天気予報みたいな石だなあ。」
上空をカラスが鳴きながら飛んで行った。甲賀しのぶが空を見上げた。
「なんだか、雲行きが怪しくなってきましたよ。」
「高野の大雨と言いますので、急ぎましょう。」
ショーケンが尋ねた。
「村は、遠いんですか?」
「あそこの役場を曲がれば、あと少しです。」
彼らが去った後、みろく石がキュキュっと鳴いた。


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