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作品名:ニート革命軍 作者:毬藻

第14回   恐竜ランド
壁画の隣には、鉄筋二階の大きな建物があった。
「あれは、学校だな。」
「花園中学校って、書いてあります。」
学校を通り過ぎると、三メートルほどのガメラとラドンが立っていた。それは、立派なバスの待合所であった。
「この村は。恐竜の村か?」
「そういう感じですね。恐竜ランド行きって、書いてありましたよ。」
「恐竜ランド?遊園地かな?」
「さ〜あ?」
「とにかく行ってみよう。どうせ行き先は、こっち方面だから。」
「そうですね。」
道の左右には、いちょうの木や桜の木が植えられていた。
「綺麗な林道だねえ。お金が掛かってるねえ。」
「そうですねえ。」
左は<恐竜ランド>二キロ、右は高野山(こうやさん)十キロと示されてあった。
「姉さん、看板です。」
「まだ時間あるかな。」
「4時です。」
「ょっと。恐竜ランドというものを覗いてみるか。」
「そうですね、燃料は水ですから、そこらへんの川から汲めば大丈夫です。」
「そうだな。」
恐竜ランドの前には、十メートルほどの巨大な恐竜が入り口を睨んで立っていた。
「わっあ、今にも動き出しそうだな〜!」
「フタログンコサウルス。全長役三十二メートル、頭までの高さ十三メートル、体重約七十トンと推定される。って、書いてあります。」
「ふ〜〜〜ん。向こうにも、たくさん立ってるねえ〜。」
「動く恐竜のテーマパークって、書いてあります。」
遠くの方で、恐竜の鳴き声らしいものが、轟(とどろ)いていた。
「こりゃあ、恐竜の遊園地だな。」
「そうですね。でも、あんまり人がいませんね。」
「こんな寂しいとこ、誰も来ないだろう。」

 9:00〜17:00 観覧料金 600円
 休館日 10月〜2月の水曜日(祝日を除く) *3月〜9月は無休

料金所の中で、茶髪のお姉さんが携帯電話をしていた。
福之助が姉さんに尋ねた。
「入りますか?」
「今日は時間がないから、また来よう。」
「はい。」
恐竜ランドの大きな看板の下に、

 林業山村活性化林業構造改善事業 森林体験交流施設

と、書いてあった。
「姉さん。政府の補助金でやってるんですね。」
「ろうね。そういう感じだよ。」
「こんなとこに、人が来るんですかねえ?」
「竜神スカイラインだから、恐竜ランド。いかにもって発想だな。」
「でも、どうして花園村にあるんでしょう。近くに竜神村ってのがあるのに。」
「ああ、そうなの。」


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