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作品名:ニート革命軍 作者:毬藻

第10回   エメラルドの伝説♪
甲賀忍(こうがしのぶ)の歌が終わると、再びカリスマ龍次が出てきた。

 悲しいニュースがありました
 昨夜 龍神池で 神奈川から来た少女が 入水自殺したそうです
 皆さん 彼女のために お祈りをささげましょう

龍次が、手を合わせ合掌すると、ステージに集まってる人々も、手を合わせ合掌した。

 皆さん 自殺者や 子供や老人の喘息患者が増えています
 ひとりひとりが 弱い者の立場になって 考え行動しましょう
 自分を愛するように 大地を愛しましょう そして隣人を愛しましょう

ステージの端にいた甲賀忍が、龍次に駆け寄ってきた。何かを告げた。
龍次は頷いた。そして、アナウンスした。
「そこにいるのは、ショーケンさんではないですか?」
みんなはざわめいた。それから、一斉コールが始まった。

 ショーケン!  ショーケン!  ショーケン!

「兄貴、みんなこっち向いてるよ。」
「なんだよ、いきなり。」
「兄貴のこと、知ってるんだよ。」
少女が楽しそうに言った。
「そうだよ。みんなに挨拶しなよ。」
「お前、早く帰れよ、電車がなくなって帰れなくなるぞ!」
「あれ、み〜んな嘘。家出もリスカも嘘。近くに住んでるの。」
「な〜んだよ!」
アキラも同じように、「なあんだよ!」と言った。
「だから、安心して歌って!」
ショーケンは、「しょうがねえなあ。」と言い、仕方なくステージに上がって行った。
りゅうじと甲賀しのぶが拍手で迎えた。みんなも拍手で迎えた。

 皆さん! 有名なショーケンです!

龍次は、クローンのショーケンのことを知っているようだった。
「ショーケンさん。みんなのために一曲歌ってくれませんか。後で御礼はします。」
「おねがいします。先輩!」甲賀忍も、ショーケンに深く何度も頭を下げた。
ショーケンは、ミュージシャンのカリスマだった。
「しょうがねえなあ。」
甲賀忍のバックバンドが、演奏の用意を始めた。
ステージの下で、アキラが大声で応援した。
「兄貴ぃ、頑張れ〜!」
少女が黄色い声で叫んだ。「ショーケ〜ン!」

「じゃあ、エメラルドの伝説を歌うよ。」

 湖(みずうみ)に〜 ♪ 君は身を投げた〜 ♪ 花のしずくが 落ちるように〜 ♪





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