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作品名:北の大地で自由を謳歌しに行こう! 作者:ぷーでる

第4回   旅立ち
 数日後、加代は、輿入れ道中を伴って実家を離れた。
 豪勢な嫁入り道具を抱えた、大勢のお伴がゾロゾロと連れ添って行く。

 馬まで大変豪華な化粧姿なので、重たそうに見える。
 英俊は、その後を追う。

 白無垢姿の加代は、馬に乗って、どんどん離れて行った。
 追いかけて、どうしようというのか?
 
 やがて、見失った……
 英俊は、ガックリしながら家に戻り、
 荷物をまとめるとそれを手にし、馬に乗って家を飛び出した。

 フラフラして、たどり着いた場所は、大きな柿の木の下。
 
 ―子供の頃、よくここで、加代さんと遊んだな〜

 馬から、降りて昔を懐かしむ。
 しばし、思い出に浸りウトウト眠った。

 それから、どのくらい過ぎただろうか?
 誰かが、英俊の肩を柔らかな手で、ゆすっている。

 「英ちゃん、ねぇ、英ちゃん、起きて」
 「ええ?」

 英俊は、目を覚まして驚いた。
    辺りはすっかり暗くなっている。
         月明りの下に見えたのは……

 「か、加代さん?夢かな?」
 「夢じゃないわよ」

 「ほ、ほんと?」
 「ほんとだって!」
 
 加代が、英俊の頬をつねった。

 「いてっ!……ほんとだ……」
 「ね!」

  加代が、ニコッと微笑んだ。

 「ところで、加代さん。一体、どうやって?」
  英俊は、ワケが分からずキョトンとしてしまう。

 「祝言で、皆酔いつぶれているスキに抜け出して来ちゃった!」
  加代が、クスッと無邪気に笑う。

 「すごい、恰好だな……まあ、それも似合うけど。
                だが、どうしてここが分かったのだ?」

 英俊は、加代が、白無垢から袴姿になっていたので驚く。
 その後ろには、馬がいる。どうやら、彼女も馬で来たらしい。

 「小さい時、大地震があって何もかも無くなって、
            井戸水まで濁ってしまって飲み水さえ足りなかったー
 
    その時、ここの柿を採って、英ちゃんと一緒に食べたよね?
                   大変だったけど、逆にいい思い出だったの
 
  だから、もしかしたらここに来ている様な気がして
         ところで、荷物を持っているという事は、北海道へ行くんでしょ?」

 加代は、英俊の傍らにある大きな皮のスーツケースを見た。

 「ああ、そうだ」
 「私を置いていくつもり?」
 
 「置いていけないから、ここにいたんだ」
 「本当に?」

 「当たり前だ」
 「でも、さっきはひどく、驚いていたじゃない」

 「まさか自力で、抜け出してくるとは思わなかったんだ」
 「私だって、そんなにヤワじゃないんだから!」

 「おお〜頼もしいね!」
  英俊が、笑う。加代も顔が、明るくなった。

 「さあ、連れて行って!」
 「お、おう、まかしとけ!」

 英俊と、加代は、それぞれ馬に乗ると、
             町を抜け出して行った。


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