20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ
 ようこそゲストさん トップページへ ご利用方法 Q&A 操作マニュアル パスワードを忘れた
 ■ 目次へ

作品名:生きる! 作者:かつやまひろし

第5回   第五章 青春時代3
第五章 青春時代3(負担に耐えられなかった髪の毛)

色々、僕の中で葛藤があった。やはり、文化祭に出ない訳にはいかない。一緒に練習していたメンバーたちにも申し訳ない。
ここは、女の子に僕の銀蝿を認めてもらうために、ヘアースタイルを変えてみることにした。

横浜銀蝿=不良っぽい髪型

とりあえず、夏休みに入った所なのでパーマをあててみることにした。学校では禁止されていたが、夏休み終わる頃にはパーマ効果も緩くなってるだろう、と軽い気持ちでパーマをあてに行った。
しか〜し。
出来上がった髪型はというと、全体がチリンチリのアフリカ人みたくなってるではないか!
元々細い髪の僕は、パーマ液がよく効いて、くりんくりんの頭になったではないか。
家に帰ると、親に怒られるだろうと思っていたが、あまり僕には興味がないようだった。ほぼ、何も言われなかった気がする。

そして、夏休みもそろそろ終わりが近づいてきた。鏡を見た。なんにも変わってないではないか!
パーマがチリンチリにかかってる状態がそのままだった。

そして、そのまま新学期となり学校へ行った・・・。

初日、やはり服装検査があった。もちろん頭髪検査込みだ。

「なんやその頭は。何になろうとしてんのや。」
その先生の一言で、クラス中が爆笑のうずにまかれ、僕は、やった!と思った。新学期早々、注目度No. 1だと思った。

しかし、いつまでもこの頭のままではいられないので、仕方なくその日の帰り道に散髪屋に寄ってパーマをおとしてもらう事にした。

おとしてもらってる最中、その散髪屋の態度がおかしい・・・。
じっと僕の頭頂部を見つめているのが鏡ごしによく見える。
横にいたもう一人いる散髪屋も連れてきて、二人で僕の頭頂部を見つめ、こそこそ話しをしている。気になる・・・。
先に口を開いたのは最初に担当していた散髪屋だった。

「兄ちゃん、ヤバいわ。」
「なにがすか」
「てっぺん」
「・・・」
「パーマ液ってきついしなー。髪の毛いっぱい、根元から切れたみたいやわ。大丈夫やで、また伸びてきたら元に戻るわー。」
と言って手鏡を持って来て、僕の頭頂部が見える様に、向かいの大きい鏡に写した。
そこで僕が見たものは・・・
・・・ハゲ頭

どう見ても、ハゲおやじの頭だった。この僕が、ハゲ・・・。
でも、散髪屋は言ってた。切れてるだけって。

仕方なく、家に帰り、この頭を親に見せて事情を説明しても、特にたいした反応もなかった。あの人たちはこの頃、なにかもっと重要な深い悩みをかかえていたのだ。ここでは説明しないが。

とにかく明日の学校が嫌で嫌で仕方がなかった。明日にならなければいいのにと思っていた。


← 前の回  次の回 → ■ 目次

■ 20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ トップページ
アクセス: 1361