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作品名:生きる! 作者:かつやまひろし

第2回   第2章 青年時代
第二章 青年時代

中学生になると、ゴダイゴの歌が流行った。少し異国情緒を感じるところが新鮮で、僕は好きだった。これからの中学生生活に何かが始まる予感がして、ワクワクしていた。

部活動は卓球部。決して華やかではないが、充実した青春時代を過ごしていた。
みるみる体力がついて腹筋は割れ、足を曲げずに逆上がりが出来たり、100mを11秒台で走り、サッカーをすれば得点王だし、女子からの人気者になっていた。
ある日、クラスの女子だけが集まって、男子の人気ランク付けを行っていた。僕は2位。1位の森君を少し、うらんだ。少しだけ。やつは1位だけあって、すごくいいやつ。男子からも人気者で、納得する。

中学生活も半分を過ぎた頃、何かが僕を変えていった。部活もサボりはじめ、帰宅部の友達とつるむようになっていった。不良とかではない。ただ、遊びたかっただけで。放課後毎日、遊んだ。自転車でクラスの女子の家を散策したり、一つ隣まちの大型ショッピングセンターへいったり、プラネタリウムへいったり、魚釣りにいったり・・・とにかく遊んだ。そして、成績が案の定、下がっていった。体力も落ちていき、100mを12秒切れなくなっていた。

もし部活をやめていなかったら

卓球部といえど、毎日の先輩に鍛えられる筋トレが凄く厳しい。それも辞めた原因の一つだが。
僕の足の早いことが噂になり、陸上部の顧問からオファーがきていた。僕を更に鍛え上げ、陸上の大会に出そうとした。断った。先生は、家にまできた。僕の親まで巻き込んで、陸上をさせようとした。
辛い筋トレを考えると、どうしても嫌だった。遊びたかった。

もしあの時、言われた通り陸上の世界に入ってたら、将来、オリンピックに出ていたかもしれない。
それを思うと、悔しくて眠れない日もあったほどだ。

くどいようだが僕はモテていた。学校からの帰り道は、数人の女子がいつも僕の後ろにくっついていた。朝は教室の窓から僕が来るのをまっていた。僕の姿が見えると、一斉に僕の名前を呼ぶ声が聞こえる。○○や〜ん!

けしてデレッとせず、クールに決めていた!
おっはよ〜。
自分でも、好きになるくらいかっこよかったと思う。

このモテぶりでは、将来苦労すると思っていた。みんなに優しく、1人の女子を選べないと思っていたからだ。可愛い子もそうでもない子も、みんな大好きだった。

もうすぐ起こる僕の悲劇は、この幸せからは想像もつかない。


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