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作品名:生きる! 作者:かつやまひろし

第1回   第1章 少年時代
生きる!
(早く脱げばよかった)

きっかけは、テレビを見ていて悪役のスキンヘッドした人が、妙にかっこよかったから。そう、僕が帽子を脱げたのは...

第一章 少年時代

夏休み、近所の町営プールで飛び込みの練習をし、満足したら今度は川で子魚を捕まえ、口に爆竹を入れて爆発させ、飽きたらまた自転車に乗って新しい道を開拓する。新鮮だった。何をするにも、見る風景も、初めての事ばかりで一生懸命になっていた。楽しかった。

めんこがブームになった。一生懸命に集めた。お小遣いを全て駄菓子とめんこに使って、おそらくクラスで一番枚数を持っていた。幸せだった。
スーパーカー消しゴムが流行った。ボタンを押すと、押し込んであるボールペンのノック部分が戻り、その力を利用してスーパーカー消しゴムを走らせ、家じゅうをレース場にして、外が暗くなるまで友達と遊んだ。ボールペンのバネを伸ばして飛距離を伸ばした。お小遣いを全て駄菓子とスーパーカー消しゴムに使って、おそらくクラスで一番台数を持っていた。幸せだった。
切手集めが流行った。新しい記念切手の発売日には、必ず買いに行った。近所の駄菓子屋にも売っていたので、毎月1回必ず買いに行った。ある時は友達と見せ合いっこして交換したり、値打ちのあるものを自慢しあったり、毎日が充実していた。お小遣いを全て駄菓子と切手に使って、おそらくクラスで一番枚数を持っていた。幸せだった。

フラッシャー付きの5段変速の自転車をみんなが乗り出した。うちは買ってもらえなかった。仕方ないので、フラッシャーなしの5段変速は買ってもらった。みんなはウインカーを出して曲がって行く。僕はない。コンプレックスを感じた。寂しかった。ちょっと親をうらんだ。そのうち、みんなは自転車をこかすたび、かっこいいフラッシャーランプはバキバキに割れていき、大きな荷台だけが残って、不細工なテールになっていった。うれしかった。

小学生の頃、怖いものなんか無かった。あるとすれば、4年生の時の担任、夜のお墓、駄菓子屋のおばさん(なに買うんや、はよ決めや、と怒られる。一応、客なのに・・・)
今考えると、なんでそんなもん、とか思うがその頃は、真剣だった。気がする。

近い将来、僕に深い悩み事が訪れようとしていたのに、この時は考えもしていなかった・・・。


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