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作品名:エゴイスト・マージ 作者:暁☆

第13回   自称、親友
いつもの様にドアを開けると
見慣れない男の人がそこにいた

こちらに背を向けて先生と何か話してるみたいで
見た目、年は先生と同じくらいか少し上?
そのラフな格好からは学校関係者には
到底見えないんだけど

先生の知り合いなのかな

私の姿を見つけた瞬間、先生はチッと舌打ちをした

「クソッ……だから帰れっていったのに」

呆然と立ってるとその人が気配に気が付いて
こっちを振り返った

「うわっ!!生の女子高生やーこんちわ!」


「こ、こんにちは」

(な・生????)

メチャ軽い感じのノリに押されて思わず返事を返す

「無闇に生徒に声掛けるな」

「ええやんかー醒ちゃん」

(醒……ちゃん??)

「”ちゃん”付けすんなって言ってるだろーが」
           

一見、先生の態度は相変わらずだけど
その男の人との言葉や感じは
今までに見たことも無いどこか親しげな雰囲気が漂う

先生にそんな友人がいたなんてちょっと意外


ううん、か・な・り・意外



(先生……友達いたんだ)


心の中で結構失礼な事を考えていると
再び先生と目が合う


「お前もイチイチ返事してんじゃねーよ。
無視しろ、調子に乗るから」

げ……ついにとばっちりがこっちに


途端、その人は真顔で
私の顔をまじまじと見返してきた

「…………へぇ〜正体、バラしてるんや?」

そして、一瞬の真面目な顔から一変して

「んじゃ、改めてと
俺、蔦 遊人。三塚センセイのダチ」

と、握手された


「自称だろ」

宜しくと人懐っこい顔で笑いかけてくれる横で
すかさず突込みが入る

「え〜〜ひでェ」


久々に寄れたと言う蔦さんは
うっとうしがる先生を他所に
懲りもせずちょっかいをかけては怒鳴られている

でも……なんだか楽しそう

先生の意外な一面を垣間見た気がして
暫く、蔦さんとのやり取りを眺めていた

「ほな。また来るな、醒ちゃん」

「もう来んな」

帰り間際、名残惜しそうな蔦さんに対し
悪態をつく先生にもやっぱり
クスッと笑う蔦さんの顔から
どれだけ長い付き合いなのかよく分かる

先生の女性関係以外の知り合いを初めてみた

こんなチャンス滅多にない
私は用事を思い出した事にして蔦さんの
後を追うことにした



急いで追いかけたつもりだったのに
既に姿が見当たらない


「アレ?アレレ……マジで???」

もういないの?どんだけ足速いのよ



「こっち」


いきなり背後から声が聞こえて

びっくりして振り向くと蔦さんが
校門脇の生垣に座り込って手を振っていた

「来ると思たわ」

「え?」

「三塚先生の事知りたいん?
俺の顔みてソワソワしてたもんな」

……読まれてる

「で、何処まで知ってるんかな?」

ニッコリ笑ってる表情からは見た目
先生の見せ掛けの優しさに似てる感じだけど
その実、私を試すかのような
意味合いを孕んだモノで

まるで値踏みされてるみたいな感覚を覚えた
だけど、不思議と不快感は感じなかった

理由はきっと
友人として先生が正体をバラす程の相手なのか
見極めようとしてるのがひしひしと
伝わってくるからかもしれない

……自称なんかじゃない先生の本当の友達なんだと
私に伝える為に


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