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作品名:危険なつばさ 作者:かるらん

第2回   僕は飛ぶ
そして、巣の中が、ギユウ、ギユウに、なるくらい僕たちは、みんなおおきくなった。
僕は、早く飛びたかった。自分でエサを取りにいったほうがいい。僕がつづけて、何回か、もらったら、お母さんが首をかしげて考えこんでいる様子が、わかるように、なったんだ。
「また、あの子にやったよ。次はむこうの子に、しなきゃね。」
僕は、飛ぶ練習をはじめた。力いっぱい羽根を振る。兄弟達が、飛び乗ってくる。
「お前は、はばたいちゃだめ。」
僕の、身体は小さい。ノビノビと、育たなかったからね。パッパッパッ、近くの、小枝から、枝へと、つないで、
みんなが、出て行ってから、僕は、飛ぶんだ。

夢中で、練習している兄弟達は、ぼくのことを、すっかりわすれている。
僕も、尾羽根が光る、なんて考えていられない。
子供は、巣から落ちてはいけないのだ。
満足に飛べない鳥が、巣から落ちると、適に見つかる。地上には、蛇も、蛙も、僕の見たこともない敵が、いっぱい、いるって、母さんが、いってた。
「巣は、大切よ。必ず戻ってくるのよ。しっかり飛べるようになるまでは、止まる枝を先に捜しておくのよ。飛び出してからじゃ見つけるのに時間が、かかるわ。」
僕は、足に力をいれて、一番近くの枝まで飛ぶ。次の枝は羽ばたかなければならない。
ひとかき、ふたかき、みかき、兄弟たちのを見る。「僕はこわい。」
羽ばたくと光る、兄弟達が、とびのってくる。
みんな、飛ぶのに夢中だ。誰も見ていない。長い間考えていた事は、すぐには変わらない。
「考えるんだ。」
その時の周りの様子で、判断しなければならない。いつも、おなじ、じゃないんだ。
羽ばたくまえに、僕は、あたまのなかを、整理しなくてはならない。
僕の心は、きづついている。
直すのは誰、手伝ってくれるものはいない。そんな事は、わかっている。
もうすぐ、みんな、とびたっていく。遅れるわけにはいかないんだ。
そして、みんな飛び立っていった。僕は、ひとりになった。


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