性欲について
性欲が、世界を動かしている。性欲が、世界を動かす機動力になっている。「この世は、女で回っている」という本をみた事がある。内容は、読んでいない。内容(contents)を読まなくとも、その表題だけみれば、勝手に、想像が膨らんだ故でもあり、その時は、時間がなかったからだ。冒頭に記した「性欲が、世界を動かしている」という言葉の意味が、次第に光を帯び、私心に押し迫るものを感じる。男性と、女性と、どちらが、一方を欲しがるものか? 現在、キャリア・ウーマン、パラサイト・シングル、NEET、引き籠り、シングル・マザー、なる、俗称が飛び交っている。気になるのは、「キャリア・ウーマン」、「シングル・マザー」等、女性を対象とした所謂未婚、バツ1、をあたかも支援しているニュアンスを易く感じ取れる点だ。「キャリア・マン」と言っても、普通で、普通に家庭を持ち、子供も居て、唯、真面目に仕事に勤しむ男性像を連想させられるだけだ。しかし、「キャリア・ウーマン」となれば、何か、恰好が良く、普段、その様なcharacterでもないのに、何か気取って普通以上に、頑張っている者の事を連想させられる。美化されたものの様に採れる。「NEET」、「引き籠り」、については、男性に多いように連想させられ、いかにも、社会生活を放棄した、と言えば、まだ、恰好が良く聞えるが、言い換えれば、ドロップアウト、脱落者、社会からはじかれた者の様に聞える。「パラサイト・シングル」については、横文字の響きもあり、比較的、他の俗称よりも新成句の様なニュアンスを含蓄している様にみえて(私自身、知ったのが遅かった故もあろうが)、男性、女性、どちらにも適用され、それ程の不惧感はない。しかし「パラサイト;parasite」とは、意味としては「寄生虫」を指し、成句そのものは、「親の財産にあやかって、寄生する者」の内容を指している。それ故、あまり、恰好の良いものではない。良く言えば、親の財産を利用している、だろうし、悪く言えば、依存しなければ、自力では生きてゆけなく、いつまでも自立出来ない者となる。 この様な俗称をみると、男性と女性とで、使われ方が異なっている様にも思えてくる。社会的にみると、男性は何かしらの更生が必要とせられ、女性は法の援助もあり、一人でもやってゆける。その様な連想をさせられるのは私だけだろうか。男性は、社会が織り成す得体の知れない「流行」に便乗しなければ、快適に過ごすことが出来ず、女性は同じく社会が織り成すそれに、寵児のように扱われる傾向がある。今の社会で必要なのは、暴力、腕力、ではなく、言葉の巧みと、繊細さだ。“ペンは剣よりも強し”に逆行すれば、たちまち捕縛され、罪に問われてしまう。その様な時代だから、女性が男性よりも優位に立っておかしくはない。今の世の中を担っているのは、事実上、女性とみてまちがいはない。 2008年6月8日、秋葉原で起きた大量無差別殺傷事件の犯人、加藤智大が、携帯サイトに書き残した言葉にこうある。「彼女がいれば、仕事を辞める事も、車を失くす事も、夜逃げする事も、携帯依存する事もなかった。希望がある奴にはわかるまい。」、酷く、自分勝手で、幼稚に、思われるかも知れない。しかし、これが本人にとっては、まぎれもない真実であり、あれだけの大事件を起こす機動力にもなったのだ。この事は、目を背けられない事実である。このことからも解る様に、まさに、女でこの世は回っているのだ。「彼女がいれば、」彼は、この様な犯罪を起こすこともなかったかも知れない。その事件で、生き残り、これから様々に発展する故人、その命も消えることもなかった。その内の一人が、もしかしたら、今後の総理大臣になっていたかも知れない。その貴重な命を、「彼女がいない」という個人的理由で消し去ってしまった。世の中は回っている。 女は男よりも、性欲に関してつよい、とされている事実を聞いたことがある。確かに、そうかも知れない。女性は所謂、何度でも絶頂出来るが、男性はそうではない。一度絶頂すれば、少しの間でもインターバルを置かねばならない。一般的には。又、少し逸れるが、子供を産む苦痛は、男性では耐えられないということも聞いたことがある。男性では、産む途中で失神してしまい、産む処じゃなくなるのだそうだ。所謂、体の造りが、そう出来ているのだろう。女は、男よりも性欲がつよい、という事実も、その点でみたとしても、一つ頷ける様に思う。何度でも絶頂出来る故、次から次へ、刺激が欲しくなり、又、その刺激に耐え得る体力をも備えている、という意味に於いて、しかし、一般に「強姦」という行為の下では、女性が被害者に挙げられる例が多い。男性が「強姦」に会わぬのは、果して、腕力が女性よりもつよいだけであろうか。これも、きっと、男と女の構造の在り方に含まれているように思う。男は、女を、征服したい生き物なのだ。そう、出来ているのだ。女とは、性欲は男よりもつよいが、そのモード、詰り、「性交したい、欲望に身をまかせたい(その気)」気になるまで、男よりも時間が掛かるのだ。故に、安易に、男が女を襲うのである。発情した女ならまだしも、平常時の話である。発情し易い、犯したい、所謂、甘えたい、気質をたやすく出してしまうのは男の方である、と。故に、女の方がプライドが高いようにもみえる。お高く止まれる性質を持ち、男は、その容姿にさえ、翻弄されている。所謂、侍の時代は、終ったのだ。
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