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作品名:L.e.v.e.l. 作者:赤鉈 塩

第2回   Level.2
BGM:アルビノ
「わたし、セックスがしてみたいの」
 ハンバーガーショップの片隅で高校生カップルがする会話とは思えない内容だ。しかし考えてみれば、この年頃なら、頭の中は寧ろセックスの事ばかりなのかも知れない。率直過ぎるところが鼻につくが、不毛な駆け引きがないだけ却ってましとも言える。
 そんな訳で、自分に似つかわしくないと思える場所に何とか溶け込もうと、シェイクという奇妙な飲み物を喉の奥に押し込みながら、シンゴは彼女の突拍子もない話の続きに耳を傾けた。
「わたし、筋金入りのエッチみたいなの。毎晩オナニーして寝るわ。でもやっぱり段々それだけじゃ物足りなくなってきて・・・。どうにか出来そうな男の子をいろいろ調べてみたの。それで、あなたかなあ、って」
「かなあ、って・・・」
「わりとめちゃくちゃ考えたんだよ。あとその手の、学術的な本とかも読んで。体育の後の匂いとかも嗅いだりしたよ。それで、あなたかなあ、って。どう?」
「・・・ん、極めて真っ直ぐなアプローチだと思うよ。何というか、160qのストレートというか」
「速すぎる・・・? わたし、・・・変?(うるうる)」
「い、いやいや、わかりやすくていいって事だよ。OK、分かった、お受けしましょう」
「ほんと? よかったあ。断られた時の事考えてなかったから・・・」
 交渉成立、という風にユーカは手を差し出す。もしかしたらこの子も僕と同じで、見てくれだけ良くて中身は変人という人種なのかも知れない、と同情しつつシンゴは、差し出されたユーカの手に接吻の真似をする。
 契約の内容も碌に確かめず、契約書にサインをしてしまった迂闊な保証人のように…。
 さて…。


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