「いらっしゃいませ」
おれは美容室に就職して三年 スタイリスト一年目の若手カリスマ!
今は家を出て一人暮らし。
プルルルルー
プルルルー
プルルルー
俺「お電話ありがとうございます。 サニーワームの小崎です。」
(低い声、 でもどこか聞き覚えのある懐かしい声)
「あ、あの、初めてなんですけど、 カットの予約お願いします」
やべぇ、懐かしい元彼女の声に似てる...
俺「お名前よろしいですか?」
「山崎です」
新規のお客さんだけど、
世の中にはこんなにも 俺の愛した人に似てる人いるんだな
なんて過去の思い出が蘇りながら 不思議な気持ちだった
そして、数日後
透き通るガラスの窓から遠くに見える 一人の女性がサロンに足を入れた
セミロングに 白のスカートがおれの心を揺らいだ
俺「山崎さんですか?俺小崎です。 小崎裕光です。」
そう、三年前振られた彼女だった。
俺「俺を指名ありがとう。 今日はどんな髪型にするか?」
元彼女「あなたが私に似合う髪型にして 綺麗にして下さい」
俺「かしこまりました。」
カットして色んな話をしました。
最後ブローして、セットし 彼女に鏡で見せてあげました。
彼女はニコニコ昔と変わらない 満面の笑みで喜んでました
元彼女「ありがとう。あのね、実は昨日彼氏にプロポーズされたんだ」
浮かない気持ちで
俺「彼氏いたんだ。おめでとう。幸せになれよ」
なんて言ってしまった。
おれが綺麗にしてあげたのに、
他の男と幸せになるんだ。
おれは許せなかった。
そうずっと三年間おれは 彼女のことを引きずっていた。
それからも彼女はおれのサロンの お客さんになってて、
担当者は必ずおれを指名。
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