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作品名:かすみ草とペンペン草 作者:D.D

第7回   天下人
「天下人ですか?」一体、この人は何を言い出すんだと、私は呆れた。
「まぁ、総選挙も終わったし、何か聞きたいことでもある?」えっ、総選挙が終わり?TVでは今8位の発表してますよ。
あぁ、名古屋勢では、マツイジュリナがエースで、それを超える大物は存在しないんだな。 
聞きたいことでもある?と言われましても、やっぱり天下人だよな。
聞かないほうが、いい気もするけど。
「はぁ、やっぱり天下人ですかね。」佐崎先生はニヤリと笑い、「やっぱり気になっちゃう感じ?」いや、それほどでも、とはもう言えない。
「・・・叩き潰す気で来てください。」TVでは何だか凄いスピーチをしている子がいるぞ。二十代でこの気迫は素晴らしい。目の前の一回り違う武術の指導員とは比べ物にならないな。名前は・・・篠田麻里子か。
あっ、そう言えば、名前をしっかり認識したのは、この子が初めてだな。マツイレナもしてないのに・・・。
「さすがは麻里子様だな。」あっ、今日初めてSKE以外を誉めたよ、この人。
「そう、二年か三年後、麻里子様達を叩き潰すのが、マツイジュリナだ。そしてジュリナは天下人となる!」あーあ、断言しちゃったよ。いや、天下人って、総選挙1位になることなんだ?おっ、そろそろ今回の天下人が発表されるな。
なんだか4位で波乱があったようで順位発表が遅くなっていた。
今やっと2位だ。ワタナベマユと発表された。先生の顔が一瞬、綻んだ。
そして1位の発表を残すのみとなった。
「ついに天下人の発表ですね。」と私が言うと、また予想外の答えが返ってきた。「あ、1位の発表だろ。天下人ってのは名古屋出身じゃなきゃいけねえんだよ。歴史知らねえのかよ!」・・・私は頭が痛くなった。どこにそんな歴史を教える教員がいたのだろう。誰だこの人に歴史教えたの!


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