なんだかんだで発表は、16位になっていた。 このころになると、私も段々AKBのシステム的なことがザックリと分かってきた。あくまでもザックリ。AKB48ってグループの中に姉妹グループの、名古屋勢SKE48、大阪勢NMB48、九州博多勢のHKT48ってのがあるようだ。 取り敢えず、AKBとSKEだけは、なんとなく区別がついた。 大体ランクインしてる子達は、AKBで、佐崎先生がぶっ壊れるのが、SKEのようだ。 そして、ランキングはBest10を残すだけとなった。 Best10に残る子達だ、さぞ、凄いんだろう。・・・凄いどころではなかった。私の運命を変えるほどに衝撃的だった。 その瞬間は、10位の発表の時であった。 マツイレナ。その可憐な姿に私は心を奪われた。 隣りで騒ぐ先生が、本当に五月蝿い。頼む、黙ってくれ。 しかし、ここでマツイレナに一目惚れしたと佐崎先生に知られると、何を言われることか。今はクールに振る舞って、帰ったら速攻で調べよう。 私が考えている間にマツイレナのスピーチは終わり、9位の発表がされていた。マツイジュリナと告げられると、先生は、嬉しいのか、残念なのか解らない顔をしていた。 私はまだ、半年しか見てはいないが、先生のどっち付かずの感情表現は、初めてみた。もしかしたら、これは野生のヤンバルクイナを見るより、奇跡的なのかもしれない。 あれ、この子もSKEって言ってたぞ。なんでだ?この子だけ嫌いだとか?私は恐る恐る聞いてみた。今迄で一番慎重に。 「この子は、この順位の子ではない!」うーん、どっちの意味で言ってんだろ? 「いいか、マツイジュリナ。この名前は覚えておくといい。2.3年後、天下人になる子だから!」あっそっちですかって、は⁉天下人⁉
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