私には何故、いちアイドルグループが、こんなにまで支持されるのか、いや同世代になら、というのならば理解もしよう。しかし、このアイドルグループはいい大人達・・・佐崎先生がいい大人なのかは別として、幅広い年齢層から支持されるのが、不思議だった。 声をかけるのは、正直怖かったが、思い切って聞いてみることにした。 「すみません。なぜこのアイドルグループは、こんなに支持されるんですか?」先生は私を見ようともしない。が、質問には答えてくれた。けして丁寧に、ではないが。 「ガチだからだ。」ガチ・・・ああ、最近よく『真剣』とかのかわりに使われる言葉だよな。正しい日本語ではないだろうに。たしかに、TVに写っている少女達の表情は、真剣そのものだった。まあ、十代、二十代の少女達がこれだけ大々的に順位を付けられるのだから、真剣にもなるだろう。そんな私の心を読んだかのように、「この子達が真剣なのは、順位を付けられるからだと思ってんだろ。選挙だから真剣なんだっでて。はっ、この子達をそこら辺の三下議員共と一緒にするな。」えっ、違うの?「この投票権て、どうやって手に入れるか知ってる・・・訳ねえよな。」ごもっとも。検討つきません。 「まー細々したのもあるけど、ザックリ言うと、指定のCDを一枚買うと、一票もらえんだよ。CD一枚いくらかは、解るよな。仮に、投票権を手に入れたとして、適当に投票するか?選挙の時だけ真剣なフリする子なんかに投票するか?」・・・しない。いや、出来ない。私は、海賊王でも、石油王じゃないんだから。「だから彼女達は、全てをガチでやる。そんな彼女達だからファンはガチで応援したくなるんじゃねえか?まぁ、これはあくまで俺の主観だけどな。それに単純に可愛いじゃん」 珍しく武術以外のコトで、佐崎先生の言葉が凄く感じた。まぁ、最後のところがびみょ~ではあったが。 しかし、この時私は完全に、AKB48へ興味を持っていた。
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