TVから某有名アナウンサーの声で、「第63位、☆\〒♪ナカニシユウカ」と発表されると、佐崎先生の眼は、死神からアイドルバカになっていた。「名古屋勢から最初のランクインはニシシか。うんうん」 私は、ナカニシユウカに生命を救われた思いだった。  TVから、第62位がヤカタミキと告げられると、佐崎先生はかなりの上機嫌になっていた。 よし、逃げるなら今しかない!私はそう思った。しかし、佐崎先生の思わぬ一言で、そのチャンスを失った。 「まー、折角来たんだし、自主トレでもしてれば?」・・・あっ、教える気は無いんだ。「はぁ、自主トレですか」私は気の無い返事をしてしまった。そんな私を本当に邪魔そうに「自主トレ、やんの?やんなえの?」と、半ばキレかかった状態で更に、「何でも人に教わろうってのが、甘いんだよ。自分で考えて覚えたもんじゃなきゃ、役にたたねえぞ。」いやいや、それは指導員が言ったらマズいでしょ。 自分じゃ解らないから、月謝を払って習いにくる訳だから。一見、格言ぽいけど、実際は単なる理不尽。仕事放棄だから。 「じゃあ・・・」と私が言いかけたのと、TVが56位の、キモトカノンを発表するのとが、ほぼ同時だった。 当然、先生の耳には、TVの発表が優先されただろう。その証拠に、「マジカルラジオ~」と意味不明な鼻歌を歌いだした。 どうやら、49位までが何かの区切りだったようだ。先生は私のことを想い出したように、「何やってんの?」と聞いてきた。 ・・・それはこっちのセリフです。
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