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作品名:かすみ草とペンペン草 作者:D.D

第1回   総選挙
某月某日
「今日の総選挙は如何なるんだろうね?」
会社の同僚達が皆んなで話しをしている。
あれ?今日が選挙?平日なのに?それも総選挙?地方選ではなく?私は全く知らないぞ。私は二十歳から今まで、投票を欠かしたことは一度もない。それが私の唯一の自慢である。その私が選挙を知らなかったとは!何故?
まずいではないか!このままでは唯一の自慢すら、なくなってしまう。どうすれば・・・。
いや、今日が投票日なのであれば、夜の8時までなら投票ができるはずだ。慌てる事はない。定時であがり、役所へ行って聞いてみるか。
考えをまとめ、落ち着いた私に次の情報が舞い込んできた。
「でも、今回は、アッチャンが出ないからね。その票とかって如何なるんだろうね?」
ん?アッチャン?誰のことだ?麻生太郎か?いや安倍晋三か?何処の党の有力候補者なんだ?私が思考をこらしている間も同僚達の会話は進んでいく。
「やっぱり、一位はオオシマユウコなのかな?」「カシワギユキかもよ。」「いや、マユユだって。」「名古屋からの刺客マツイレナを甘くみないほうがいいね。」
オオシマユウコ、カシワギユキ、マツイレナ・・・知らない。一番解らないのはマユユだ。レンホーみたいな感じなのか?しかし、出て来るのは女性党員ばかりだな。何年か前のマドンナ旋風の再来か?うーん気になる。
しかし、同僚が次に口にした言葉で私はこの総選挙から興味を失った。
「でも凄いよね。アイドルグループの人気投票が、国民的イベントになっちゃうんだからな。」
なにー!アイドルグループの人気投票だと。なんだそれは!そんなのに総選挙なんて紛らわしい名前を付けるな。あーあ、気にして損したな。
まっ、いいか。役所行かなくてすんだし。帰りに合気道の稽古にいこうかな?
私は自慢出来るもの、自信のできるものが自分に欲しかったため、半年前から、合気道を習い始めた。でも指導員が問題なんだよな。


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